「恥ずかしい」「2024年とは思えない」 鉄道会社の“ポンコツ内情”に全英唖然 市長が激怒したIT化を拒む「英国流のブラック言い訳」

英国メディアが英国第2位の鉄道運行会社を「恥ずかしい!」と一斉に報じました。英国中をガッカリさせる現状が次々に露呈したのです。何があったのでしょうか。

「運転手が足りなくて」「最新すぎて」列車運休

 ことの発端は、ノーザンがマンチェスター近郊の4路線の利用者に対して「10月20日(日)には列車を利用しないように」と呼びかけた警告(Do not travel warning)でした。こともあろうか、人員不足で列車の運行ができないというのです。

 この一件から、最近のノーザンが運休・遅延だらけの杜撰(ずさん)な運行状況にあったことが注目を浴び、事態に焦ったマンチェスター市長のアンディ・バーナム氏が招集した臨時会合で、人員不足の原因となった驚きの実情が次々と明るみに出ました。

 まず判明したのは、ノーザンの職員が休日にも働くことを義務付けた「休日労働協定」が失効して(BBCによる)、日曜に職員を招集できる権限が会社になくなっていたビックリな事実です。労働組合の力が強い英国で休日労働協定が失効していては、休日に誰も顔を出さないのは無理もない話。

 次に市長の怒りに油を注いだのは、数兆円規模の支援でインフラを整備したにもかかわらず、その新しいシステムを使えるように職員を計画的にトレーニングしてこなかったため、新インフラで鉄道を運行できる人員が全然いないという、あきれ果てる言い訳でした。

 実は、今回と同様、オーバースペックな新インフラが「豚に真珠」の状態となり運休が続発してしまった問題は、過去にもノーザンでありました。2018年5月、設備投資した新しいシステムに合わせてダイヤを改正したものの、運転手のトレーニングが追いつかず、新ダイヤの通りに運行できなくなり、ダイヤ改正から1年間で、全線運休が1万5800件、一部運休が1万8696件発生していたのです(The Guardianによる)。その後、資本形態なども変わりましたが失態からまったく学ばず、同じ過ちを繰り返したのですから、救いようがありません。

【青と黄】カラフルなノーザンの列車を見る(写真)

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