東海道新幹線 いくつもあった始発駅候補

東海道新幹線開業50周年を記念し2014年10月1日、その始発駅である東京駅などで出発式が開催されます。現在、東京駅が新幹線の始発駅であることに疑問を持つ人は少ないと思いますが、実は多数の候補地がありました。

最有力は市ヶ谷駅

 2014年10月1日(水)、東海道新幹線は開業50周年を迎えます。それに伴いJR東海では当日の朝5時40分から6時頃、東京駅と静岡駅、名古屋駅、新大阪駅で出発式を開催する予定です。JR東海の本社は名古屋市にありますが、同社の柘植社長が出席するのはやはり東海道新幹線の始発駅で、日本を代表する駅としても過言ではない東京駅です。

 しかし新幹線の始発駅は、すんなり東京駅に決まったわけではありませんでした。もしかすると、東京駅ではなく市ヶ谷駅になっていたかもしれません。

 1940(昭和15)年、東京~下関間を結ぶ高速鉄道計画「弾丸列車」の建設が決定します。最高速度は200km/h。東京~大阪間を4時間半で連絡する予定でしたが、戦況の変化で1943(昭和18)年に工事が中断されます。この弾丸列車は東海道新幹線の前身とも言える計画で、これで確保されていた用地、着工されていたトンネルを流用することなどによって、東海道新幹線は5年という短い工期で完成しています。

 この弾丸列車計画において、東京の始発駅として最も有力視されていたのが市ヶ谷駅だったのです。候補はほかに東京駅、新宿駅、荻窪駅も挙がりました。しかし首都の中心部で利便性が東京駅に次ぎ優れること、建設費が荻窪駅に次ぎ優れること、都市計画上のメリットが大きかったこと、そして防空上の配慮から、市ヶ谷駅が有力視されていたのです。しかし最終的にどこになるか決定されないうちに、弾丸列車の工事は中止されてしまいます。

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