しばしば起こる貨物列車への強行乗車 どんな罪になる?

100km/h以上で走る列車から飛び降り、平然と立ち去る男

 この湖西線の件で滋賀県警は、大学生たちを刑法の偽計業務妨害、また鉄道営業法第33条に違反したという容疑で取り調べを進めました。

鉄道営業法第三十三条
旅客左ノ所為ヲ為シタルトキハ三十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
一 列車運転中乗降シタルトキ
二 列車運転中車両ノ側面ニ在ル車扉ヲ開キタルトキ
三 列車中旅客乗用ニ供セサル箇所ニ乗リタルトキ

 貨物列車は旅客用の列車ではないため、いわゆる無賃乗車(詐欺)にはなりません。2006(平成18)年、鳥取県の伯耆溝口駅に停車していた貨物列車へ乗り込み、岡山県の井倉駅まで約70kmを移動した所持金45円の54歳無職男性がいましたが、やはり鉄道営業法違反の容疑で逮捕されています。

 名水を探しに行った大学生らは深く反省し、JR西日本も被害届を出さなかったことから警察は立件せず、書類送検しています。

 ちなみに鉄道営業法違反で、不思議な事件があります。

 2002(平成14)年、JR神戸線(東海道本線)を走る姫路行きの新快速から、男が住吉駅(神戸市)ホームへ飛び降りました。100km/h以上で走行していた列車から飛び降りた男は、その勢いでホームの鉄製フェンスに激突。大怪我をして当たり前の状況ですが、その男は平然と立ち上がり、姿を複数の人間に目撃されながら意に介することなく、何事もなかったかのように改札口のほうへ消えたのです。

 この男は車両の連結部に外からしがみついていたと思われ、通報を受けた警察が鉄道営業法違反の容疑で近隣の医療機関などを捜索するも、該当者はなし。なんとも異様な事件でした。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

5件のコメント

  1. 昔、北海道や東北の旅客列車閑散区で貨物列車に便乗を認めるという制度があったのだが、、、

  2. 貨物列車に乗るのは少年の頃からの夢。
    死ぬ前に一度ヤりたい。

    • JR貨物に行って、コンテナ輸送を予約し、自分がそのコンテナに乗りこんでいれば貨物列車での移動は可能。コンテナ内にトイレ、空調、ベンチレーターを備えて置けば住環境は確保されるだろう。

      また、昔、『ウ』車両には家畜管理人の乗務できる部屋が設けられていたから貨物列車への便乗は可能であった。
      一般客の貨物便乗はこの制度の拡大解釈。

  3. 昔、過疎路線に限定して、定期貨物列車に便乗できる制度があったが、(車掌車限定で便乗が許可されていた)テロ対策や客の安全性(山田線で乗客が転落した事故があった)を考えて廃止になったものである。
    鐵からすれば面白い列車ではあるが、、、

  4. 所持金45円で罰金30円か。辛いな