関西交通系ICカード戦国時代へ? どうなる「PiTaPa」

関西私鉄が中心となった「スルッとKANSAI」の磁気カード乗車券が廃止され、後継に「スルッとKANSAI」の新ICカード乗車券が発行される見通しだと伝えられました。しかしすでに「スルッとKANSAI」のICカード乗車券「PiTaPa」が存在しています。どういうことなのでしょうか。

少数派である「PiTaPa」の決済方式とそのデメリット

 関西エリアで現在販売されている主なICカード乗車券として、次の2つが挙げられます。

・「ICOCA(イコカ)」

JR西日本が発行するICカード乗車券。プリペイド式で、発売はJR西日本のほか近鉄、京阪、JR四国でも行われている。

・「PiTaPa(ピタパ)」

関西の私鉄が中心となった「スルッとKANSAI」のICカード乗車券。使った金額をあとから精算するポストペイ(後払い)式のため、扱いは基本的にクレジットカード。

 「PiTaPa」が採用するポストペイ式はプリペイド式と比較し、クレジットカードなので基本的にチャージが不要、割引サービスが充実しているなどのメリットがあります。しかしクレジットカードなので、発行に時間を要するなど手続きが面倒です。決済方法が異なることから、「ICOCA」やJR東日本の「Suica」など現在主流であるプリペイド式交通系ICカードとの相互利用に制限があるなどのデメリットも存在します。また定期券として使えない、もしくは使いづらい場合がしばしばみられます。

 現在、「ICOCA」の累計発行枚数は約980万枚で、「PiTaPa」は263万枚です。「PiTaPa」が少ないのは先述のように手続きが面倒であるなど、ポストペイ式のデメリットが大きいとする意見があります。また「スルッとKANSAI」に加盟する近鉄や京阪がプリペイド式であるJR西日本の「ICOCA」も合わせて発売しているのは、「PiTaPa」の利便性が必ずしも良好でないことの象徴とする見方もあります。

 今回、関西私鉄中心の「スルッとKANSAI」が新しくプリペイド式ICカード乗車券の発売を考えている背景には、そうした「PiTaPa」のデメリットとそれに伴うICカード乗車券の普及低迷、ライバル「ICOCA」の存在があり、そこで新たにプリペイド式ICカード乗車券を発売することで問題を解決。ICカード乗車券の普及推進とJR西日本「ICOCA」へ利用客流出を阻止して、「スルッとKANSAI」陣営の利益につなげたい、という目的があるのかもしれません。ICカード乗車券の普及率が上がると、可動部分が多くメンテナンスにコストがかかる従来型の自動改札機を減らせる、などのメリットもあります。

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