東京駅100年 「富士」復活で東京駅名物も復活

かつての東京駅名物も復活

 今回の「富士」復活で、かつて東京駅からブルートレインが発車していた時代に見られた「東京駅名物」も復活しました。

 東京駅始発のブルートレインは車両基地が品川駅付近にあり、目的地は西日本です。そのため品川の車両基地から東京駅へ到着したとき、折り返すため進行方向が変わります。

 しかしブルートレインの客車は自走できません。基本的にその進行方向へ機関車を連結し、引っ張って貰う形で運転されます。

 よって東京駅始発のブルートレインの場合、機関車を客車の東京駅側に連結して、品川の車両基地を発車。先頭の機関車を東京駅へ着いたところで切り離し、客車の大阪駅側に移動。そして東京駅に来るまで最後尾だった車両に機関車を連結し直す、という作業が必要です。

 ただこれでは、東京駅で手間と時間がかかります。そのためかつての東京駅始発ブルートレインは基本的に、次のような編成で品川の車両基地を出発、東京駅へ向かいました。「■」が機関車で「□」が客車、左が東京駅側、右が大阪駅側です。

■□□□□□□□□□□■

 編成の両側に機関車を連結していたのです。品川の車両基地を、この形で発車。東京駅に着いたところで、車両基地から先頭に立っていた機関車を分離。今度は最後尾にいた機関車が先頭になって、西日本方面へ発車するという流れです。この方法では機関車が2両必要ですが、連結位置を変える時間と手間を省くことができます。

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客車の東京駅側にも機関車を連結し、同駅へ入線する「富士」。左が東京駅側で右が大阪駅側(2014年12月19日、恵 知仁撮影)。

 今回復活した「富士」も往時の東京駅発着ブルートレインと同様、客車の両端に電気機関車を連結して車両基地を出発。写真で先頭に立っている機関車は東京駅で切り離され、反対側に連結されている機関車が今度は先頭になって、伊東駅へ向け折り返し発車していきました。

 このように編成の前後に機関車を連結して運転することを「プッシュプル方式」といい、ブルートレインで賑わっていたかつての東京駅で「名物」になっていました。

 ちなみに復活「富士」をけん引した機関車は、伊東駅側がEF65形501号機、東京駅側がEF65形1115号機でした。両機関車とも昭和50年代の「ブルトレブーム」時、実際に東京駅発のブルートレインをけん引していた車両です。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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