災害に備え電気機関車「金太郎」の活用を検討 JR貨物

汎用性の高い「金太郎」

 その検討内容のひとつにJR貨物は、「輸送機材のリダンダンシー(冗長性)」を挙げています。具体的にはEH500形という汎用性のある電気機関車をあらかじめ主要線区へ入線させ、確認と検証を行うというものです。

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EH500形電気機関車「金太郎」は交流、直流両用で、JR在来線で使用されているすべての電気で走行が可能(2009年12月、恵 知仁撮影)。

 「ECO-POWER 金太郎」という愛称を持つEH500形は、日本の在来線で使用されている3種類すべての電気で走行が可能で、牽引力も高いという特徴がありますが、現在は首都圏~北海道間、北九州地区のみでしか使用されていません。

 またその路線で使用したことのない機関車を、いきなり営業列車として走行させることは困難です。そのため事前に入線させ、いざというときのために確認と検証をしておくというわけです。

 このほかJR貨物は、迂回輸送の体系をあらかじめ想定し危機管理の観点から予備機関車を配置しておくこと、船舶輸送の利用などについても検討を行うとしています。

【了】

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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10件のコメント

  1. 確かに電源では金太郎は何処でも走れるが、「H級」と言う「大型機関車」がどの線路でも走れるわけではありません。
    その重さに耐えられない路線も有るので金太郎がベストとも言えない。

    • 車重を分散するためのH級(8軸)な訳で、軸重は6軸のEF81やEF510と同等。で牽引力はF級より高いとなれば、大量の迂回輸送には最適かと。青函トンネルからは追い出されて、ある意味で余ってる訳だし。

  2. EH型が大きいとは言えED型重連と大差ないので国鉄時代に電気機関車が走っていた路線なら余裕なはず

    入れない路線は大体非電化区間なので問題なし

  3. これだけ、宅配物の大量輸送、即日配達が求められるようになって、JR貨物だけで、対応するのはおかしな話である。代替手段としてのトラック輸送では大量輸送には全く対応できないのが、東海道線の不通でわかったはずである。また、船舶という悠長な手段は途中トラック輸送が伴わないと機能しない。本腰をいれて鉄道物流の冗長化を行わないといけないのは、政府側の人間はわかっているのだろうか?
    まず、中央本線の複線化が絶対必要不可欠と思うのだが、JR貨物の対策だけではなにも進まない。

    • >また、船舶という悠長な手段は途中トラック輸送が伴わないと機能しない。

      鉄道もそうなのでは? 専用線引かない限り、door to doorにはならない。

  4. 船舶が悠長なんて言ってるけど、貨物列車と大して変わらないよ。日本の物流で大量輸送は殆どが船舶だよ。

  5. EF510は使えんのか?

  6. 災害に備えるんなら、DD51やDE10を一定数確保しておく方が現実的でしょう。運転手の確保は大変だが、平素から電気車と並行して教育しておくとかしないと、ダメでしょうな。国から補助金をもらうのがいいと思いますが。

    • 電力が無い時に備えて、ディーゼル機の電化路線での走行は確かに考慮すべき。

      ただ、信頼性の落ちた老朽機は迂回輸送には不向き。大事な迂回路までトラブルで塞がれたら目も当てられない。

      多分、旧式ディーゼル機を廃車しないで欲しい的なコメントだと思うが、ちょっと考えさせられた。

  7. 早いうちから冗長性の高い交直両用電気機関車をより多くの線区で走らせられるよう備えておくことはとても有意義なことだと思います。

    ただ、EH500 は「送風機のような機械」から発生する騒音が酷いので、設計変更や改造などでその機械の騒音対策も早いうちからしておいてほしいです。そうしないとせっかく走らせたその沿線からクレーム・苦情が来かねません。