変わる日本の空 存在感を強めるエアバス

世界の旅客機市場で約8割を占めているアメリカのボーイングと欧州のエアバス。2014年の納入実績はエアバスが629機、ボーイングが723機で、どちらも過去最高を達成しました。そしてかつてボーイング機が圧倒的に強かった日本の空も、大きく変わりつつあります。

ボーイング、エアバスとも過去最高

 世界の旅客機市場は、その約8割をアメリカのボーイングと欧州のエアバスの2大メーカーが占めています。はたしてどちらが優れたメーカーなのでしょうか。両社の勢力バランスを2014年の実績で検証してみます。

 納入実績で見ると、エアバスは2014年の1年間にエアライン89社へ計629機を引き渡しました。これまでで最高の記録で、13年間連続で数字を伸ばし続けています。一方のボーイングはエアバスを上回る計723機をエアライン各社に納め、こちらも過去最高になりました。

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上は大型機を組み立てる米シアトルのボーイング・エバレット工場。下は最新鋭機「A350XWB」のボディ製造が進むエアバスの独ハンブルク工場(2011年10月、2015年2月、秋本俊二撮影)。

 総2階建てのエアバス「A380」と次世代ジャンボとして開発されたボーイング「747-8」の超大型機同士で比較すると、「A380」が30機引き渡されたのに対して「747-8」は19機。しかも「747-8」は貨物タイプの「747-8F」が多くを占めるため、旅客型だけを比べるとその差はさらに大きくなります。

 ですが数字の上では優位に立つ「A380」も、一度に500人前後の乗客が利用する路線はもともと世界にそれほど多くはないため、製造の継続を危ぶむ声も少なくありません。また「A380」も「747-8」もエンジンを4基備えた4発機であり、燃料を多く消費するぶんエアライン各社からは敬遠されがちです。

 そんななかで順調に需要を拡大しているのが、エンジン2基の双発機。ボーイングでは「777」や次世代中型機と呼ばれる「787」、エアバスでは「A330」といった機種です。また「787」に対抗する最新鋭機として開発されたエアバスの次世代中型ワイドボディ「A350XWB」の引き渡しも、2014年末から始まりました。

 上記はいずれもキャビンに2本の通路をもつワイドボディ機(双通路機)です。しかし両社ともに、最も売り上げを伸ばしているのはこのタイプではありません。

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コメント

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1件のコメント

  1. 騒音、振動、乗り心地ではエアバスが○のように感じます。
    日本発着便ではヨーロッパ、中東方面はエアバスが、太平洋方面はボーイングと住み分けてるように感じてます。