発車したウィラーの鉄道 地方公共交通の衰退を阻止できるか?

4月1日、三重県の内部・八王子線と同時に京都府北部などを走る北近畿タンゴ鉄道も「上下分離方式」を採用。新たなスタートを切りました。内部・八王子線とはまた違う独特な環境に置かれているこの鉄道、その未来はどうなるのでしょうか。その鍵は「高次元化」といいます。

上下分離後も北近畿タンゴ鉄道が存続した理由

 こうして北近畿タンゴ鉄道も近鉄の内部・八王子線と同様、上下分離方式を導入することになりましたが、その方法は内部・八王子線とは少し形態が異なります。

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2015年4月1日から上下分離方式が導入された近鉄の内部・八王子線(2013年3月、恵 知仁撮影)。

 内部・八王子線は、施設や車両を三重県四日市市が保有し、新たに設立された運行会社「四日市あすなろう鉄道」が、四日市市から施設や車両を無償で借り入れて列車を運行する「公有民営方式」を採用しています。これに対して北近畿タンゴ鉄道の上下分離方式は、施設や車両を引き続き同社が保有。列車の運行を一般から募集した民間会社に行わせる形です。

 内部・八王子線の場合、直接関係する自治体は四日市市だけですが、北近畿タンゴ鉄道は5市1町に鉄道のネットワークを持っています。仮に各市町が施設や車両を保有すれば、その保有者も各市町ごとに分割され、運行会社と施設を保有する自治体との関係が複雑になりますし、動く車両をどうやって各市町に割り当てるか、などといった問題も発生するでしょう。こうした状況を回避するため、北近畿タンゴ鉄道は沿線自治体の「取りまとめ役」として残されたといえます。

 使用料のあり方も異なり、北近畿タンゴ鉄道は運行会社から使用料を支払ってもらう形にしています。ただし施設や車両の維持管理も運行会社が行い、北近畿タンゴ鉄道は運行会社に維持管理の委託料を支払いますから、使用料と委託料は相殺されます。

 また、沿線自治体は北近畿タンゴ鉄道に維持管理費の補助を行っているため、実質的には施設の維持費を沿線自治体が支払っていることになります。そのため結果的には四日市あすなろう鉄道と同様、「公有民営方式」にかなり近い形態といえるでしょう。

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コメント

3件のコメント

  1. ドイツに1年ちょっといましたが,ドイツでは,地方(日本の県くらいの範囲)の鉄道,バス,Sバーン,Uバーンなど1日全部乗り放題のチケットを20ユーロくらいで売っていました。

    日本はいまTPP導入だけでも議論する状態ですが,TPPを導入し,さらに次の段階として,公共交通についても海外と同じような考え方のスキームを検討することは可能と思います。

  2. ドイツ在住26年の者です。

    ドイツの地方近距離公共交通機関はごく一部を除いて、国・州・自治体のみが運営に関わり民間が排除されている所謂「親方日の丸」状態で、毎年運賃値上げをして運営にも全く弾力性が見られず、利用者無視の状況です。

    日本にはほとんど参考にはなりません。

    毟ろドイツの交通事業者が日本を手本にすべきです。

  3. 鉄道が必要なほどの客がいないのならウィラーがバスを運行すれば良い。

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