地方鉄道の救世主になる大手からの譲渡車両 観光資源化も

大手鉄道会社から引退した車両が、しばしば地方の中小私鉄に譲渡されることがあります。こうした譲渡車両、地方の中小私鉄にとって列車の運行面ではもとより、現在は観光資源としても大変重要な存在になっているようです。

まだまだ使える車両が不要に

 東京メトロ銀座線を走っていた01系という電車が現在、改造工事を受けています。新たに熊本電鉄へ「職場」を変えるにあたり、車両の仕様などを合わせる必要があるからです。また熊本電鉄では既に元都営地下鉄や元東急、元南海の車両が「第二の人生」を送っています。

熊本電鉄では、東急からは1986(昭和61)年に引退した5000系電車「青ガエル」が現在も走っている(2008年12月、恵 知仁撮影)。

 このように大都市で活躍した中古の鉄道車両が地方鉄道へ譲渡され、そこで新たに走り出すケースがしばしば見られます。なぜ新車を導入するのではなく、そうしたことが行われるのでしょうか。

 『譲渡された鉄道車両』(東京堂出版)を執筆した鉄道ジャーナリストの渡部史絵さんは、大手鉄道会社から引退した車両は中古とはいえ機能的に問題がなく、性能的にも優れていることが多い点を挙げます。メカニズムの進化や車両更新のペースが早い大手鉄道会社では、新型車両の導入によってまだ使える車両が不要になることがあります。そして、そうした大手鉄道会社で長く使われてきた車両は性能的にも優れていることが多く、地方の中小鉄道会社から需要があるのです。

 ただ鉄道会社によって電気や線路の幅などの仕様が違っていたり、簡単に譲渡できない場合も少なくなく、大掛かりな改造工事が必要なこともあります。冒頭で触れた銀座線01系電車も熊本電鉄と線路の幅などが異なるため、車輪回りなどに大掛かりな改造が必要になっていますが、それでも「新車を買うより敷居が低い」(渡部さん)とのこと。少子化や過疎化などによって経営状況が必ずしも良いとはいえない地方鉄道にとって、大手鉄道会社の中古車両は助かる存在なのです。

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