中国が否定する東京都沖ノ鳥島、肯定する南沙諸島 矛盾どころではないその主張

近年、南シナ海の南沙諸島で中国が人工島を造成。接近したアメリカ軍機に対し警告するなど、緊張が高まっています。しかしそもそも、中国が領土と主張する人工島「ファイアリークロスリーフ」は国際法上、認められるものなのでしょうか。また中国が「島」と認めない日本の沖ノ鳥島とは、何が違うのでしょうか。中国の不思議な言い分が見えてきました。

中国の行為は国際法上、許されるのか?

 ファイアリークロスリーフは複数の国が領有権を争っていますが、それはとりあえず置いておくとして、アメリカ機が中国が実効支配する島の12海里以内に進入するという行為は、国際法的には許されることなのでしょうか。

 その答えは「海洋法に関する国際連合条約」にあります。

第121条 島の制度

1項 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、満潮時においても水面上にあるものをいう。

第60条 排他的経済水域における人工島、施設及び構築物

8項 人工島、施設及び構築物は、島の地位を有しない。これらのものは、それ自体の領海を有せず(以下略)

 ファイアリークロスリーフは元々、干潮時のみ水面上に陸地が露出する環礁でした。それを中国が人為的な埋め立てによって人工島としたものであり、海洋法に関する国際連合条約に従えば、島とみなすことはできません。領土は島ないし大陸のみに設定が可能であり、従ってファイアリークロスリーフの周囲12海里に対して中国は、領空・領海を主張することはできないのです。

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