英国の空を飛んだ海自P-1 そこにある歴史的意味

2015年7月、海上自衛隊のP-1哨戒機がイギリスのエアショーで飛行展示を行いました。イギリスで海自機を飛ばしたことにはどんな背景、また目的があるのでしょうか。またそこには、歴史的な日本とイギリスの関係も見えてきます。

鉄道と同じ 歴史的な意味があるP-1とイギリス

 日本の海軍航空の始まりは、1921(大正10)年にイギリスから「センピル教育団」を招聘し、技術指導を受けたことに始まります。翌1922(大正11)年にはイギリス海軍の空母を参考にした日本初の空母「鳳翔」が完成し、さらに1923(大正12)年には「鳳翔」へ初めての着艦が行われましたが、このとき着艦に成功した三菱「一〇式艦上戦闘機」はイギリス人技師の手によって設計され、パイロットもまたイギリス人でした。

 現在工事が進むイギリスの都市間高速鉄道計画においては、日立製の車両の導入が決まっています。日本の鉄道史も航空と同様にイギリスの技術供与から始まりました。もし日本海軍(海自)航空の結晶であるP-1哨戒機を逆に輸出することができたならば、鉄道に続き航空分野においても100年を経た良師への恩返しとなるでしょう。

 なお余談ではありますが1941(昭和16)年、日本海軍は大恩あるイギリス海軍の戦艦を、よりによって航空機で2隻も沈めてしまいました。そして時のイギリス首相チャーチルは、「センピル教育団」を日本に派遣したまさにその時、航空相を務めていました。チャーチルは日本海軍の「お礼参り」こそが第二次世界大戦で最も憤慨した出来事だったと回想録に記しています。

【了】

Writer:

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス