変わる総火演 対中国鮮明に 富士の麓が沖縄の島

ゲスト扱いではなくなった空自戦闘機の意味

 演習のシナリオは、まず空海から我が国に接近する敵部隊を海上および沿岸において撃破する、という状況から開始されました。12式地対艦誘導弾や航空自衛隊のF-2戦闘機による対艦ミサイルの模擬発射(射程の問題から実弾は射撃できない)が行われるとともに、次いで島嶼部に着上陸した敵部隊に対し、陸自部隊がレーザー照準を行い、F-2戦闘機がレーザー誘導爆弾を模擬投下しました。

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空自のF-2A戦闘機。空対艦誘導弾やレーザー誘導爆弾によって海上・地上目標の撃破デモンストレーションを行った(2015年8月、関 賢太郎撮影)。

 これまでも空自戦闘機は総火演に参加してはいたものの、ほとんどゲスト扱いに過ぎませんでした。しかし今年は陸空が連携し誘導爆弾による攻撃を実施しており、統合運用の重要性をアピールしました。

 敵部隊着上陸後は内部への侵攻を食い止めるために、UH-1J「ヒューイ」、UH-60J「ブラックホーク」、CH-47J/A「チヌーク」といった各種汎用・輸送ヘリコプターが隊員や物資を演習場内に展開させます。島嶼部においては陸上から接近できないため、海上自衛隊のヘリ搭載護衛艦や輸送艦を拠点とした航空機の活用が不可欠です。

 その後、輸送艦からLCAC(エア・クッション型揚陸艇)等で揚陸したと想定した74式戦車、90式戦車、10式戦車、89式装甲戦闘車、そしてFH70 155mmりゅう弾砲、99式自走155mmりゅう弾砲、203mm自走りゅう弾砲などによって敵を制圧・撃破し、最後に敵部隊へ対し突撃を行う戦果拡張を実施。演習は終了となりました。

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