銀色の電車、なぜ多いのか 超合理的なその理由

鉄道車両の新車について、近頃は「銀色」が増えました。しかし新車とはいえ、そうでない場合も見られます。そこにはどんな違い、背景があるのでしょうか。

ポイントは素材の違い

 近年、塗装をしていない「銀色」の鉄道車両を多く見かけるようになりました。ラインカラーや会社のロゴだけを薄いフィルムで貼り付けて、ほかの大部分は金属の地色のままという具合です。

 車両に色を塗るかどうかについては、材料となる金属が関係します。鉄の場合、錆びを防ぐために塗装が必要ですが、ステンレスやアルミは腐食しづらいので、色を塗らなくても問題ありません。

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東武50000系はアルミ製でほとんど全体が「銀色」(2009年10月、恵 知仁撮影)。

 鉄は加工がしやすく、強度も高いことから鉄道車両に広く使われてきました。ただし、塗装は数年で塗り替えが必要となり、それだけコストがかかります。また重い鉄で造った車両は、動かすために多くのエネルギーが必要です。

 そうしたなか、塗装の必要がなく軽量という特長を持つステンレスやアルミを使い、鉄道車両を造ることが容易になってきたことから、コスト削減や省エネに取り組む時代、多くの鉄道会社が新型車両にそれを採用。鉄道の世界に「銀色」が増えたのは、そのためです。

テーマ特集「【トリビア】なぜその色? 乗りものの色、どんな意味がある?」へ

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コメント

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4件のコメント

  1. アルミはともかく、ステンレスは鉄鋼の一種じゃないでしょうか。なので、ステンレス車両が「軽い」とは設計が軽いのではないのでしょうか。

  2. 錆びなければ強度が落ちないから厚みを薄く出来るし、塗料も重さになるから無塗装で軽く成る。

    東急車輌の全ステンレス化はアメリカのBUD車からの技術導入で自社が開発した物では無い。

    ステンレスは曇天時には視認性が落ちるので前面には鮮やかな塗装をした方が無人踏切や保線職員には安全。

  3. 鉄もステンレスも比重(重さ)はほとんど変わりません。鋼鉄車が重くなる理由の一つとして、塗装が関わります。ステンレスは塗装しない分だけ軽くなりますが、鉄は塗装する為その分重くなるのです。
    最近のライターさんは、こんな基本的な知識も無いのに間違った記事を載せる事に恥を感じ無いのでしょうか?もう少し勉強して欲しいものです。

  4. アルミやステンレス製が多いってこと?