光速度兵器、ステルス破り 見えてきた第6世代戦闘機

戦闘も「クラウド」へ

 第6世代戦闘機の機体には、電波を吸収しレーダーに対して不可視となる「メタマテリアル」が多く用いられ、ステルス性はさらに高まるでしょう。

 ただし、「ステルス破り」もまた同時に進化します。そのキモとなるのが、さらに高度化されたネットワークです。

「ステルス」とは、あくまでも発見される確率を下げる技術。複数の戦闘機や早期警戒機のレーダーなどをネットワーク上においてひとつに統合することで、誰かのレーダーで見えている敵機を自分で見えているのと同様に扱えるようにしてしまえば、敵ステルス機の発見確率を大幅に高めることが可能です。これは「クラウドシューティング」「統合火器管制」などと呼ばれています。

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防衛省が発表した第6世代戦闘機「i3ファイター」のイメージ。「指向性エネルギー兵器」「統合火器管制」「ロボット僚機」などを実現する(画像出典:防衛省)。

 また、人工知能で自律交戦する無人戦闘機(UCAV)の実用化も行われ、1機の有人戦闘機に5機程度のUCAVがロボット僚機として作戦を支援するようになるでしょう。

 第6世代戦闘機には数兆円の予算を必要とするため国際共同開発が主流とり、単独開発は恐らく中国以外は不可能です。また開発には10年以上の歳月が必要ですから、数年のうちには開発がスタートすると推測されます。レーザー兵器や無人戦闘機が活躍する「SFの世界」はまもなく、現実のものとなるかもしれません。

【了】

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

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6件のコメント

  1. ネットワークを取れなくすればいいんですね❗

  2. 高速兵器
    機体に積載できるほどの重量体積と出力の効率化(船と違い高出力の電源は難しい)とハードルが高い
    戦闘機のイメージではなく爆撃機サイズに成るのでは?
    大型爆撃機サイズと無人小型機の組み合わせ
    戦闘機の目的は「制空権」確保
    それなら親機に光線兵器、子機にマッハ5以上の高速ミサイルの組み合わせで良いと思う
    見た目では「戦闘機」より「制空機」と呼んだ方がイメージに合うかな?

  3. 常時通信はステルスの障害に成りやすいし、光学兵器やマイクロ波の交差照射兵器は地平線問題で射程と有効対象に制限があり攻撃位置が分かりやすく、レーダーのリンク自体はロシアのフォックスハウンドから無かったわけではない、衛星破壊兵器と情報媒体の発達した今はむしろGPSを使わないマイクロ地図の誘導投射兵器が怖い

  4. 機体形状・ステルス性は置いといて、アニメ版戦闘妖精雪風5話ラストのメイブとフリップナイトシステムの戦いが第六世代の戦いと判る。

  5. 無人機でしょう。まあまあの飛行性能と軽量小型安価でステルシーな奴をたくさん作ればどんな高性能兵器を開発するより効率的に制空権を確保できる

  6. 第7世代になったらどうなるんだろう?