案内標識の地名に「埼玉」を見たことがありません。なぜでしょうか? 「東京」「千葉」はありますよね…?
道路の案内標識には「東京 〇km」と書かれることはありますが、「神奈川 〇km」「埼玉 〇km」という表示はなぜか見かけません。実は案内標識の地名は、あらかじめ決められており、その序列も関係しています。
実際の案内標識の地名はどう選ばれているの?
広域に移動する人が多く利用する主要幹線道路では、表示地名も広域的なものが重視され、最もローカルな一般地は表示されません。たとえば主要幹線道路である国道6号の「方向及び距離」標識で、上から「東京 67km」「柏 37km」「取手 28km」と並んでいるものは、基準地、重要地、主要地の順で、それぞれ現位置から最も近い場所が書かれています。
一方、より短距離を移動する人が多くなる幹線道路や補助幹線道路では、場所に応じて主要地や一般地を重視する標識もあるとのことです。
では冒頭の「神奈川 〇km」「埼玉 〇km」を見かけないのはなぜでしょうか。ひとつには、神奈川県と埼玉県に、基準地が設定されていないことが挙げられます。
基準地は「青森」や「仙台」など、おおむね都道府県でひとつ(北海道などは複数)設定されていますが、「神奈川 〇km」「埼玉 〇km」と表示するよりも、より多くの人が目指すであろう「東京」を示した方がわかりやすいという理由から、2県に加え千葉県も、基準地の設定がありません。
また、神奈川県と埼玉県には「神奈川」「埼玉」という自治体名もないためか、この2つは重要地にも主要地にもなっていません。一方で「横浜」やひらがなの「さいたま」は重要地に設定されているほか、「千葉」は地名(市名)として重要地となっているので、「千葉 〇km」との表示は多く見られます。
コメント