スゲー強そうなトヨタ「ハイラックス」を発見! 車上にはロケット弾40連発 どこが作った?
2024年12月、ベトナムの首都ハノイで開催されていた武器見本市に、トヨタ車ベースの自走ロケット弾発射機が展示されていました。国産兵器をPRするなら自国車の方がよいのに、なぜ輸入した日本車を選んだのか、担当者に聞きました。
やっぱりトヨタブランドは凄かった
ベトナムオリジナルの「70mmロケットランチャーシステム」、この兵器の一番の特徴はランチャー自体が縦横それぞれ1.2mしかないというコンパクトさにあります。重量も弾薬を搭載した状態で750kgです。そのため、ハイラックスのようなトラックだけでなく、軽トラサイズの小型車など様々な車両に搭載することができるそうです。
ただ、それなら、ベトナム国産の小型トラックをベース車体に使った方が、より独自性が増したのではないでしょうか。なぜ、あえて日本のトヨタ製「ハイラックス」を選んだのでしょうか。
その質問を担当者にしてみると、次のように答えてくれました。
「ピックアップトラックはオフロードでも高い機動性を発揮し、移動から発射まで速やかに行え、車両は停車からロケット発射まで3分で可能です。操作員も運転と兵器操作は1名が兼任で行え、ロケットランチャーの操作用コンソールも車内に設置されています」
そして、他メーカーのピックアップトラックではなくトヨタの「ハイラックス」を選んだ理由についても「トヨタの車は丈夫で故障も少なく評判がいいからです。トヨタはベトナム人にとって老舗の自動車会社なのです」だと即答してくれました。
トヨタは1995(平成7)年にトヨタ・モーター・ベトナム(TMV)を設立しており、翌1996(平成8)年から「カローラ」と「ハイエース」を現地で生産し始めています。「ハイラック」については2009(平成21)年以降、タイから輸入する形で販売を開始しており、2024年には8代目モデルの改良型の販売も始まっています。
ベトナム軍では数多くのトヨタ車を使用しており、今回の「ベトナムディフェンスエキスポ2024」でも会場の警備車両として「ハイラックス」や「ランドクルーザー」を多数持ち込んでいました。
近年、自動車の分野でも韓国や中国のメーカーが台頭しつつあります。なお、ベトナムにもチュオンハイやビンファストなどの現地メーカーが力を付けつつあります。しかし、軍用となると、まだまだ悪路走破性や信頼性などといった観点から、トヨタをはじめとした日本メーカーがメインのようです。
そういったことを鑑みると、やはりまだまだトヨタをはじめとした日本車は、高い評価を得ており、確固たるブランドを築いているといえるでしょう。
Writer: 布留川 司(ルポライター・カメラマン)
雑誌編集者を経て現在はフリーのライター・カメラマンとして活躍。最近のおもな活動は国内外の軍事関係で、海外軍事系イベントや国内の自衛隊を精力的に取材。雑誌への記事寄稿やDVDでドキュメンタリー映像作品を発表している。 公式:https://twitter.com/wolfwork_info
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