改良重ね大進化! 阪神淡路大震災で誕生「自衛隊用レスキュー装備」とは 外国軍も是非使って!
日本屈指の大災害として記録されている阪神・淡路大震災で人命救助に尽力した陸上自衛隊は、そのときの教訓を基に災害派遣専用の装備を開発・導入しました。人命救助専用の装備は東日本大震災や能登半島地震などでも活躍しています。
外国軍への供与もスタート
そののち、東日本大震災や熊本地震などでの使用実績をフィードバックし、さらなる改良が加えられたのが「人命救助セットIII型」です。これは2018(平成30)年ごろから配備されている最新型で、基本構造は従来の人命救助システムII型とあまり変わっていないものの、積まれた各種資機材が新しいものになり、水害救助器材なども含まれるようになったのが特徴です。
人命救助システムII型ならびにIII型は、航空自衛隊でも「人命救助システム」の名称で導入されており、主要な基地にはひと通り配備されています。
また、2019年には外国軍に供与する初の自衛隊装備にも選ばれています。選定の理由は非戦闘用装備かつ有用なものだからで、日本と同じく台風や豪雨などの自然災害に悩まされるフィリピン軍に対して、2021年3月より配備が進められています。
ほかにも、2019年にはパプアニューギニアとフィジーの軍人を日本に招いて人命救助システムの研修を行っています。これに関して日本政府は、フィリピン軍での運用結果を見極めたうえで他国への供与も検討していくと明言していました。
冒頭に記したように、今年は阪神淡路大震災の発生からちょうど30年です。そのときの教訓を契機に生まれた装備は、絶え間ない改良が加えられて進化し続けています。
Writer: 柘植優介(乗りものライター)
子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。
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