同じ会社の路線なのに80kmも離れてる!? 「日本一の“離れ小島”鉄道」を乗り通してみた 珍編成「JR/三セク/三セク/JR」
高知県を走る第3セクターの土佐くろしお鉄道。後免~奈半利間のごめん・なはり線と、窪川~宿毛間の四万十くろしおラインの2路線から成りますが、JR土讃線を挟み一体化しています。なぜ、このような形態なのでしょうか。
オープンデッキで海を感じる
一方、ごめん・なはり線ではJR高知駅を10時15分に出る、普通列車「しんたろう2号」に乗車しました。同社で愛称が付いている列車は、オープンデッキの付いた9640形で運行されます。

このオープンデッキは列車の側面にあり、海側に側窓のない通路が設けられて、妨げられずに景色が見られます。もう片側には寝台車のような補助いすが付いているほか、中央の床は10cmかさ上げされ、転換式クロスシートが置かれています。
土佐くろしお鉄道に入る後免駅からはデッキに出られます。高知駅からは16往復がごめん・なはり線に直通しますが、臨時特急「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」として使われる際は追加料金が必要です。
よしかわ駅までは市街地を走りますが、そこから夜須駅までと、西分~球場前間は海のそばを走ります。途中のトンネルを列車はかなりの高速で走るので、吹き飛ばされそうな強い風を体験できました。
球場前駅は、阪神タイガースが練習することもある安芸市営球場の最寄り駅です。各駅にはアニメ『それいけ! アンパンマン』作者のやなせたかし氏がデザインしたキャラクターがおり、駅名標も同一会社である四万十くろしおラインとはデザインが異なります。
車両基地のある中心駅、安芸には11時36分着。高知駅では20人ほどが乗車していましたが、すでに6人ほどになっていました。海の絶景は伊尾木~唐浜間でも続きます。ただし唐浜駅を過ぎると景色が山へと変わり、12時4分に奈半利駅着。2人が下車しました。レストランや土産物屋もある楽しそうな駅です。
快速列車なら高知駅から最速1時間12分ですから、奈半利駅でも充分に通勤圏です。離れた土佐くろしお鉄道の2路線は、どちらも日本有数の絶景路線だと感じました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
高知県在住の者です.高知関係の記事が掲載されてうれしく思います.
1枚目の写真ですが,2700系ではなく2600系の写真になっていることに気づきました.ご確認いただければと思いました.
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
かつての三陸鉄道(南リアス線と北リアス線)もJR山田線を挟んで離れていましたね…。
現在は山田線区間も三陸鉄道に併合されました。
東京メトロは、ロンドン地下鉄も走らせることになったのでいちばん離れてることに。
掲載された写真は2600系で2700系ではないのですが
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。
画像2600系で草
ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。