生産終了から57年経っても大人気!? 伝説の「スバルのバイク」は何がそんなにスゴいのか
現在のスバルがかつて製造していたスクーター「ラビット」。生産終了から今年で57年にもなりますが、未だに熱狂的なファンが多く、専門ショップも存在するほどです。その魅力は歴史を知るとさらに深まります。
東武練馬から広がった縁
以降、一戸さんはラビットの世界に深く入り込んでいくこととなり、お金を貯めては歴代モデルを次々と購入。その経緯の中で、ラビットのマニアの人たちとも知り合うようになり、全国のラビットマニアと草の根交流を図ることに。
「一番大きかったのは東武練馬にあるラビットマニアが集う喫茶店で、そこのオーナーさんが様々なマニアの先輩を紹介してくれて。もうその時代はパーツなんてメーカーから取れないんだけど、『川崎の▲▲さんなら持っているかもしれない』と聞いてくれて、本当に持っていて譲ってもらえたりとか。今はインターネットでそういう交流があるのかもしれないけど、当時はそういうマニアの先輩たちから色々教わったりして、かなり助けてもらいました」(一戸さん)
言い換えれば、「知らない人は全く知らないが、生産終了後も一定数のアツいマニアが存在し続けた」のがラビットとも言えそうです。
ラビットから始まった「スバル車」
話をラビットのストーリーに戻すと、ラビットを製造販売しヒットとなった「富士産業」は1953年に富士重工業へ改称(現・スバル)。その後、1954年にシリーズ初のトルクコンバータを採用したラビットS-61を発売。
続く1955年には初の2ストロークエンジン搭載のラビット・ジュニアS-71というモデルを発売します。実は、このラビットの2ストロークエンジンを元に開発されたのが1958年登場の軽自動車・スバル360でした。
1955年に通商産業省が掲げた「国民車構想」をそのままカタチにしたスバル360は日本の自動車史を語る上で欠かすことができない名車ですが、こういった名車を生んだ背景にあるのがラビットであり、だからこそ特別視され根強いファンを魅了し続けているようにも思います。
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