“半世紀以上売れる戦闘機”F-16 初飛行前に「非公式で飛んじゃった事件」とは ロングセラーになると誰も予想できなかった!?

F-16「ファイティング・ファルコン」が初飛行から50年を迎えます。“正式な”初飛行は1974年2月2日ですが、実はこれ以前に、同機は非公式に初飛行しています。正確には「飛んでしまった」のですが。

正式と非公式…実はふたつの初飛行があるF-16

 F-16「ファイティング・ファルコン」の正式な初飛行は1974年2月2日となっています。2024年には50周年という記念すべき日を迎えました。しかしこれ以前に、実は非公式に飛行した日が存在します。正確には「飛んだ」というのは適切ではなく“飛んでしまった”のですが。

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50周年を記念して当時の試作機だったYF-16の塗装で飛んだF-16(画像:アメリカ空軍)。

 1974年1月20日、F-16の試作機であるYF-16は、米カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地で高速地上走行テストを実施していました。

 このテストは、時速135ノット(250km/h)まで加速・走行したのち、停止するというものだったそうですが、ここで予期せぬアクシデントが発生します。テスト中に機体がバランスを崩し、大きく横方向に振られてしまったのです。この影響で機体のコントロールが困難となり、機首も上下動を繰り返し、左翼のダミーミサイルを滑走路にこすりつけてしまうほど傾きました。

「地上をこのまま走り続けると確実に事故になる」と判断した試作機のパイロット、フィル・オーストリッチャー氏は、「空中の方が安全だろう」と判断し、そのまま離陸します。緊急措置で飛行してしまいましたが、上空での機体安定性は良好で、約6分間ほどの非公式な初飛行が行われ、機体の損傷は回避されました。

【採用されなかったタイプも!?】見た目が全く違うF-16の試作機ほか(写真)

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