驚愕、兵士の護衛付き!? 国宝指定を受けた「ミグ戦闘機」とは 噂を確かめに現地へGO!

ベトナムでは、ミグ戦闘機を国宝に指定しているとか。一体どういうことなのか、展示されている博物館に行ってみると、当該機はなんと警備の兵士がいるほどでした。しかし説明を読むと、それは納得の理由からでした。

1機で米軍機12機を撃墜 ベトナム戦争の勝利の象徴か?

 じつは、これら兵器はベトナム戦争で特出した戦果を挙げたため国宝になったのだとか。すなわち、自国の歴史を語るうえで、その功績を称えるためにというのが理由のようです。国宝に指定されたMiG-21にはそれぞれ機体番号が指定されており、国宝指定されたのは4324号機と5121号機となっています。

Large 20250201 01

拡大画像

2024年11月にオープンした「ベトナム軍事歴史博物館」。敷地内は工事中の箇所があり、2025年1月現在は部分公開の状態(布留川 司撮影)。

 4324号機はベトナム戦争中に、なんと14機ものアメリカ軍軍用機を撃墜しており、その戦果のほとんどが、1965年から68年にアメリカ側が実施した「ローリングサンダー作戦」の最中に挙げたものとされています。現在の4324号機の機首部分には撃墜記録を意味する星のマークが14個も描かれており、戦果にはF-105「サンダーチーフ」やF-4「ファントムII」といった当時のアメリカ軍の主力戦闘機が含まれているとのこと。

 ちなみに、この撃墜記録は1人のパイロットではなく、この機体に搭乗した12名のパイロットによって達成されたそうです。

 一方の5121号機は5機の米軍機を撃墜しています。その戦果は1972年12月にアメリカ軍が実施した大規模空爆「ラインバッカーII作戦」で挙げたものだとか。この爆撃作戦にはアメリカ空軍の戦略爆撃機B-52も大量投入され、第二次世界大戦以降に実施された爆撃作戦で最大規模のものでした。このアメリカ軍機の襲来に5121号機も迎撃で出撃し、1機のB-52爆撃機を撃墜したとされています。

 ベトナムの公式発表によると、「ラインバッカーII作戦」による空襲で約1600人の民間人が死亡しているとのこと。そのため、たった1機であっても飛来したB-52を撃墜したことの意義は大きく、ベトナム戦争の勝利のシンボルとして認められたのかもしれません。

【画像】国宝とミサイルが一緒に!? 日本じゃ見られない驚愕の展示方法を見る

最新記事

コメント