運転士の“うっかり”で電車が燃えた! いったい何が? 重要な「切換」ポイント 実は関東が最多

JR七尾線で、走行中の列車から出火するトラブルがありました。運転士が交直切換を失念したことにより、車両の屋根上にある機器を焼損したのです。これは同線のように、電化方式が異なる区間をまたがって走る列車特有の事象といえます。

直流電化区間の場合は厄介

 一方、交流の設定のまま直流電化区間に入ってしまった場合は、車両が走行するための電気回路をカットすることは仕組み上できません。これに備えて、車両は交流の回路にヒューズを入れることで保護するようになっています。

 誤って直流電化区間に入ってしまった場合は、ヒューズが溶けて回路をカットすることで車両の被害が大きくならないようにしています。ただ、こうなると溶けてしまったヒューズを交換しない限り、列車を運転することができません。七尾線でのトラブルは、交直切換がなされないまま交流電化区間から直流電化区間へ入ってしまったために、溶けたヒューズが火災のようになってしまったのでした。

全国にある交直デッドセクション

 デッドセクションは全国に点在しています。JR東日本では常磐線の取手~藤代間(茨城県)、水戸線の小山~小田林間(栃木県)、東北本線の黒磯~高久間(栃木県)、羽越本線の村上~間島間(新潟県)に、JR九州では山陽本線の下関~門司間の門司方(福岡県)にあります。また、JRから経営分離した路線でも、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの糸魚川~梶屋敷間(新潟県)、パピラインふくいの敦賀~南今庄間(福井県)にあります。

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E653系の屋根上機器。交直切換器で直流と交流の切換が行われ、写真では「直流」の位置に入っている。交流のまま、誤って直流電化区間に進んだ場合には主ヒューズが溶断して機器を保護する仕組み。新潟車両センターでの一般公開の際に撮影(2018年10月、柴田東吾撮影)

 首都圏の私鉄では、つくばエクスプレスの守谷~みらい平間(茨城県)にもありますが、交直切換は自動で行われています。

【写真】これが運転台の「切換」スイッチです

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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