世界最強の空戦能力を求めたのに… F-15戦闘機が多用途性に走り出したワケ「空自、お主もか!」

空戦能力に特化した戦闘機として生まれたF-15「イーグル」ですが、いまや対地・対艦攻撃にも優れた多用途戦闘機になっています。空自のF-15も近代化改修で対地攻撃能力を付与するとか。なぜ性格を大きく変えるようになったのでしょうか。

空自ですらF-15の汎用化を推し進めるワケ

 F-15戦闘機は1970年代初頭、アメリカ空軍の制空戦闘機として開発されました。その設計思想は、ベトナム戦争での空戦経験から導き出されたものであり、当時の戦訓として、戦闘機は空戦能力に特化すべきで対地攻撃任務と兼任することは性能の低下につながるという考え方が生まれました。

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航空自衛隊のF-15J「イーグル」(画像:航空自衛隊)。

 この思想を端的に表すのが「空対地には1ポンドたりとも使ってはならない」という合言葉です。この表現はやや誇張を含みますが、F-15の開発者たちは、機体重量の一部を対地攻撃能力に割くことすら許されないという厳格な方針のもとで設計を進めました。この結果、F-15は強力なレーダーと優れた機動性を持ち、空戦能力に特化した機体として完成したのです。

 しかし現代のF-15は、空対地攻撃能力が付与され、多用途戦闘機として重用されています。事実、最新型のF-15EX「イーグルII」では、作戦のほとんどは空対地ミッションになっています。

 また、これまで純粋な制空戦闘機としての役割が求められていた航空自衛隊のF-15Jも、近代化改修によって様々な空対地誘導兵器を運用可能になることが見込まれています。こうした流れを鑑みると、なぜF-15は制空戦闘機として開発されながら、多用途戦闘機化してしまったのでしょうか。

 非常にシンプルな理由として、多用途戦闘機のほうが戦力をアップできると考えられます。例えば100機の空戦に特化した制空戦闘機と100機の対地攻撃に特化した攻撃機を保有していた場合、空戦にも対地攻撃にも100の戦力しか投入することができません。しかし200機の多用途戦闘機を保有していれば、空戦にも対地攻撃にも200の戦力を投入可能となるため、見かけ上の戦力は倍増することになります。

 こうしたことから、1980年代後半から1990年代にかけて、戦闘機の運用は単一任務から多用途へとシフトしていきました。特にF-16やF/A-18といった戦闘機は、制空戦闘機としても対地攻撃機としても優秀な機体でした。こうしたことから、純粋な制空戦闘機はほぼ姿を消すことになったのです。

【画像】これが巡航ミサイル盛り盛りなF-15「ストライクイーグル」です

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