JR四国が魚業スタート!? 「食べてみたら絶品でした!」 最初に養殖試みた意外な品種とは
JR四国が約2年をかけ事業化へ漕ぎつけたのは、なんと「魚の養殖」。鉄道会社がなぜ、新規事業として水産業を始めたのでしょうか。
寿司とフレンチ料理で食べてみた
筆者(安藤昌季:乗りものライター)は、「桃太郎サーモン」の名で東京都江東区のイトーヨーカドー木場店に期間限定で出荷されたサーモン寿司と、JRホテルクレメント高松のレストランで提供されたコース料理で、それぞれミルクサーモンを食べてみました。
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寿司として食べると、表面が非常に滑らかなことに驚きました。臭みはほとんどなく、味は「鮭と鱒の中間」。コクはありつつ非常にさっぱりとした、食べたことがない味でした。
一方のコース料理は、フレンチの魚料理「マリネした『ミルクサーモン』のミキュイ。サフランと赤ワインソースのコントラストで」として味わってみました。「ミキュイ」とは、食材に完全に火を通さず、半生に仕上げる低温調理法です。皮はパリッと焼かれて香ばしいのですが、身はさっぱり感を残しつつ旨味が活性化されていました。
ミルクサーモンは清廉な味わいですが、サフランと赤ワインのソースでコクを加え、付け合わせの野菜類で食感が複雑化しており、筆者は素材を活かした和食のような感性で作られたフレンチだと感じました。JRホテルクレメント高松では、同ホテルが3月末(食材の入荷状況で前後)まで展開しているフレンチおよび和食のコース内で提供されています。
なお、同ホテルの「日本料理 瀬戸」では、香川県産のお米「おいでまい」を使った「ミルクサーモンとおいでまいの漬け丼」を、コースの一品として提供しています。筆者は口にしていませんが、料理の狙いとしては「ミルクサーモンの甘みと旨味を残しつつ、あっさりとした味わいを活かして漬け丼にした」というもので、地場食材を楽しんでほしいとのことです。
JR四国は、観光列車「ものがたり列車」などで提供する料理に定評があります。そのような同社が、今後ミルクサーモンをどのように展開していくのか、興味は尽きません。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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