大幅な進化と軽量化を果たしたフラッグシップフルサイズカメラ! パナソニックが「LUMIX S1R II」を発表!
パナソニックは2025年2月26日、同社のデジタルカメラブランド、LUMIX(ルミックス)の最新フルサイズミラーレス一眼カメラとして「LUMIX S1R II 」を発表しました。
6年ぶりとなる「S1R」後継機がついに登場
パナソニックは2025年2月26日、同社のデジタルカメラブランド、LUMIX(ルミックス)の最新フルサイズミラーレス一眼カメラとして「LUMIX S1R II」を発表しました。
本機は2019年に登場した「S1R」の後継機にあたり、軽量化やオートフォーカス(AF)・手ぶれ補正性能の向上、8K動画対応など、多くの進化を遂げています。
発表に先立って、2月中旬に都内で行われた新製品事前説明会において、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーションのイメージングソリューション事業部商品企画部に所属する粟飯原雅之氏は、同社がデジタルカメラ事業を手がける思いについて、「クリエイターの皆様に寄り添い、静止画動画を問わず創造性を発揮できる撮影体験を提供したい、それによって求められる存在になりたい」と述べました。
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そうした思いから誕生したカメラが、今回発表された「LUMIX S1R II」です。
フルサイズセンサーを搭載したLマウント規格のフラッグシップ機で、プロの写真家・動画クリエイターや、徹底的にこだわりの作品を制作したいクリエイターをターゲットに置いています。
新開発フルサイズセンサー搭載、被写体認識機能も進化
まず注目したい点は、新開発の4430万画素裏面照射型CMOSイメージセンサーです。
従来よりもさらに自然で高精細な描写や広いダイナミックレンジを実現、高速処理が可能なL2テクノロジー搭載エンジンにより、ISO感度は常用ISOが80〜51200と、S1Rの80〜25600から1段引き上げられました。拡張ISOも40〜102400に拡大され、一層高感度に強くなっています。
センサーをシフトさせて連続撮影を行い、カメラ内で合成処理を行うハイレゾモードでは、1億7700万画素での緻密な描写が可能。手持ちでの撮影にも対応し、三脚が持ち込めない場所でも高精細な撮影が可能になりました。
また、高速撮影機能も大幅に向上し、AF(オートフォーカス)追従のもと、電子シャッターで毎秒40コマ、メカシャッターで毎秒10コマの連写に対応。しかも、電子シャッターでは画面の映像が全く途切れないブラックアウトフリーでの撮影が可能です。
そのAFも進化しています。S5 IIシリーズから採用された像面位相差AFにより速く確実な合焦を実現。人物撮影時の瞳や顔の認識精度が向上したほか、追尾AFモードにAI技術を導入し、複数の人物が交差するシーンでも目的の人物を粘り強く追い続けるようになりました。
S5 IIから搭載された、被写体の自動認識機能も向上しています。
今回は、人物/動物/車/列車/飛行機に加えて「バイク・自転車」を追加。それぞれ、車体全体を撮影するのか、列車の先頭部やバイクのヘルメットなどを優先するのかを設定できます。高速AF・連写機能と併せ、撮影者の意図に応じた撮影を楽しめるようになりました。
現代のデジタル一眼に欠かせない手ブレ補正は、実に5軸8段を搭載。夜間撮影や歩き撮りなどで発生するブレを強力に補正します。
今回、新たに広角撮影用の「クロップレスモード」が搭載されました。これは、LUMIX Sレンズとの組み合わせで使用できる機能で、広角撮影時に目立つ周辺歪(ゆが)みを、画角を変えることなく補正できます。
8K動画撮影にも対応しながら大幅に軽量化
動画は、LUMIXシリーズとして初めて8K動画記録に対応。高画素機としては画期的に広いダイナミックレンジを実現しています。またフォトスタイルでは、動画撮影向けにグラデーション豊かな色彩を表現するシネライクA2モードが新たに加わりました。
特筆すべきは、こうした数々の新機能・高性能を実現しながら前モデルから大幅な軽量化を果たしたことです。S1Rが1016gと1kg超えだったのに対し、S1R IIは795gと約22%も軽量化(いずれもバッテリーとSDカードを含む)。
サイズも横134.3mm、縦102.3mm、奥行き91.8mmとなり、S5 IIとほぼ同じレベルにまで小型化しました。
映像制作を手軽に体験できるスマホアプリも新規開発
カメラ本体だけでなく、写真・映像作品を創造するワークフローについても新しい提案がありました。
まず、プロのスタジオ撮影などで使われるテザーソフトの「Capture One」に対応。Capture Oneとのコラボレーションにより、S1R IIユーザーは3カ月の無料トライアルを利用できます。
動画制作をする人にとって見逃せないのが、新たにリリースされるスマートフォンアプリ「LUMIX Flow(フロー)」です。
これは、シナリオ作成から編集まで、一連のビデオ制作の流れをサポートするアプリで、撮りたいイメージを簡単にイラスト化。シナリオを作成して必要な撮影内容を管理し、撮影したデータを自動でフォルダ分けして、「Adobe Premiere」などの動画編集アプリへスムーズに受け渡すことができます。
S1R IIをまだ持っていなくても、スマートフォンで撮影できる「スマートフォンモード」もあるので、これから鉄道や自動車などを動画で撮影してみたいと考えている人に最適です。
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本格的な動画作成を行うプロ向けには、カメラから直接クラウドに撮影データをアップロードして、離れた場所から編集共同作業ができる「Frame.io Camera to Cloud」にも対応しています。
大幅な軽量化を果たしながら、AFや手ブレ補正が大きく進化した、パナソニックの新フラッグシップカメラ。専用のLUMIX Sレンズもすでに18本がそろっており、多彩な映像表現を楽しむことができるでしょう。
「LUMIX S1R II」は2025年3月下旬発売予定で、価格はオープン。
市場想定価格は、ボディー単体が47万5000円前後(税込み、以下同)、「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」が付属するレンズキットが59万4000円前後、また縦位置撮影にも便利な専用バッテリーグリップ「DMW-BG2」は3万8000円前後となっています。
「LUMIX S1R II」の発売を記念して、「LUMIX S1R II」ボディーまたはレンズキットを購入して応募することで、バッテリーパックとバッテリーチャージャーがもれなくもらえるキャンペーンが実施されます。2025年5月11日までの購入が対象で、応募締め切りは5月26日消印有効となっています。
Writer: 栗原 景(フォトライター)
1971年、東京生まれ。旅と鉄道、韓国を主なテーマとするフォトライター。小学生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。出版社勤務を経て2001年からフリー。多くの雑誌や書籍、ウェブに記事と写真を寄稿している。主な著書に『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『テツ語辞典』(誠文堂新光社/共著)など。
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