キャタピラ付きのリヤカー? 実は「変幻自在の無人戦闘車」陸自導入なるか 人口“日本の100分の1”の国のヒット作
ヨーロッパの小国が開発した「無人車両(UGV)」について、同国が日本と導入交渉を進めているようです。総人口が日本のわずか100分の1ほどしかない、知る人ぞ知るIT大国が打ち出したUGVには、どのような魅力があるのでしょうか。
日本が導入するかもしれない「もう一つの無人車両」とは?
ミルレム・ロボティクスは履帯(キャタピラ)で走行する「Type-X」と、16式機動戦闘車などと同様にタイヤで走行する「ハボック」という、2種類の装甲UGVの開発を進めています。Type-Xが発表された2020年6月の時点でミルレム・ロボティクスはType-Xの最初の現実的な用途は、基地やコンボイ(車列)の警護になると述べていました。

しかし2022年6月にフランスのパリで開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」では、1両の戦車で複数のType-Xを制御して、機械化部隊を構成する「ウィングマン・トゥ・メカナイズド・ユニット」というコンセプトが提唱されていました。
陸上自衛隊唯一の機甲師団である第7師団には、10式戦車の配備こそ進んでいますが、戦車とコンビを組む89式歩兵戦闘車は老朽化と陳腐化が進んでおり、後継車両が求められています。
機甲(機械化)部隊で戦車を運用する場合、物陰に潜んで戦車を攻撃してくる兵士から戦車を守る人間の兵士と、兵士が乗る有人装甲車が必要です。しかし、戦車と共に敵陣を突破する役割の車両は、必ずしも有人である必要はありません。こうした事情を考えると、エストニアから日本に提案されている無人型の装甲車輛は、Type-Xの可能性があります。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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