「雪国の鉄道は雪に強い」「都心の鉄道は大混乱」本当にそうか? 変わりつつある“常識”

都心の鉄道はわずかな雪でも運行が大きく乱れがち。一方、雪に強いと言われる豪雪地帯の鉄道でも、近年は大雪で運休するケースが増えています。雪に弱い鉄道と強い鉄道、その違いを決めるのは何なのでしょうか。

雪に強いはずの鉄道、結局は“人”?

 分岐器に雪が詰まると不転換、つまり進路の切り替えができなくなります。特に線路の雪をラッセルなどで押し分けると分岐器に雪が詰まり、人手で取り除かなければならなくなります。分岐器の5m手前から線路内の雪を枕木が見えるまで取り除けば防げるのですが、これを人手で行うのも相当な労力です。

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上屋の無い通路部分を人手で除雪している山形鉄道宮内駅(山田和昭撮影)

 豪雪地帯では線路内に水を流して融雪する設備もありますが、水利権の確保など簡単ではありません。分岐器の前後に雪が積もらないスノーシェッドを設けるのも規模が大きいので相当な投資となります。

 踏切も厄介で、道路除雪車は踏切の除雪を行わないので、踏み固められた雪がデコボコの堅い氷板となります。これを人力で、スコップやツルハシで氷を割って取り除くのですが、なかなか重労働です。かといってロードヒーティングは電気代がかかりますし、水を流すには水利権が必要です。

 そして、駅構内も旅客が歩く部分は除雪が必要です。階段や通路など除雪車が入れないですから、これも始発列車が走る前に人手で行うことになります。線路の雪は排雪モーターカー等で除雪できたとしても、鉄道を動かすには多くの人手が必要なのです。

 豪雪地帯の鉄道が雪に強いと言われたのは、多数の人員が除雪にかかるか、少ない人員が超人的に頑張って除雪をしていたから、という事情が大きいのです。

 近年は人手不足で、除雪を依頼していた建設会社やシルバー人材センターなども人員の確保がしづらくなってきました。このため、慣れない事務職員まで駆り出して除雪に当たることもありますが、なかなか追いつかなくなってきている中で平常以上に雪が降ると、もうお手上げとなってしまう状況が増えています。

 筆者が十日町を訪ねた時も、JR上越線の水上―長岡間は「大雪のため運転見合わせ」となりました。翌日は除雪をしても雪壁が残り、ほくほく線の車両はミラーが雪壁に当たるため六日町―越後湯沢間への乗り入れは中止。さらにその翌日の上越線は除雪のため昼間、越後湯沢―六日町間が運休となっていました。同じころ、山形の奥羽本線についても除雪が追い付かないことが話題になっていました。

【え…雪が無ェ!!】これが「雪国の鉄道」のスゴさです(写真)

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