「またチヌーク!?」 自衛隊なぜいま再び“ご長寿ヘリ”を爆買いするのか? “これしかない!”その理由

自衛隊が大型輸送ヘリコプターCH-47JAの最新型であるブロックIIを17機発注しました。原型機の飛行からすでに60年以上が経過したCH-47ですが、最新型はどのような機体となっているのでしょうか。

最新型を17機購入

 ボーイングは2025年2月13日、自衛隊向けの大型輸送ヘリコプターCH-47JAブロックIIを17機、受注したと発表しました。原型機の登場から半世紀以上が経つヘリコプターを、その最新型で増備する決断に至るまでには、紆余曲折を経ています。

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アメリカ陸軍に納入されたCH-47FブロックII(画像:ボーイング)。

 CH-47(愛称チヌーク)はボーイングと合併したアメリカのヘリコプターメーカーのバートルが開発した、 機体の前後にローターを一つずつ配置するタンデム・ローター型のヘリコプターです。原型機YCH-1Bは1961(昭和36)年9月21日に初飛行しており、今年2025年の9月で原型機の初飛行から64年に達します。

 原型機の初飛行から50年以上経過している軍用機は珍しくありませんが、現在も生産が継続されているのはCH-47と、航空自衛隊も運用しているC-130輸送機くらいのものでしょう。

 2000年代に入ってからは、後継機の開発も何度か検討されており、2000年代後半ごろにはボーイングとユーロコプター(現エアバス・ヘリコプターズ)が共同で後継機を研究すると報じられていましたが、いつのまにかこの話は消えてしまいました。

この共同研究の話が無くなった理由は不明です。将来、垂直離着陸が可能で、固定翼機なみの速度で飛行できるティルトローター機などの新技術が熟成されれば、話は変わってくるのかもしれませんが、ヘリコプターの技術を用いて完成度の高いCH-47を超える航空機を開発するのは困難だと判断されたからなのかもしれません。

 アメリカ陸軍は2021年まで、CH-47の後継機計画は存在しないと公言していました。同陸軍は2022年に「ケイパビリティーセット」と呼ばれる後継機計画を明らかにしていますが、この計画はまだコンセプトを模索している段階なので、仮にCH-47の後継機が開発されるとしても、その航空機がその姿を現すのは、かなり先になりそうです。

【自衛隊チヌークファミリー集合!】陸自・空自が運用するCH-47を写真で(画像)

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