135年の歴史に幕「渡し船銀座」から消える航路 車で乗ってわかった「替えが利かない」役割

広島県尾道市の「尾道水道」を交う渡船のひとつ「福本渡船」が、2025年3月31日で廃止されます。昭和な愛車で昭和に竣工された船に乗る体験をすべく現地へ向かいました。尾道の渡船の実情にも迫ります。

 大林宣彦監督が手がけた映画「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」のロケ地となったことでも知られる広島県尾道市。JR尾道駅の南側には、海ながら幅が狭い「尾道水道」が流れ、対岸の「向島(むかいしま)」と本土を結ぶ渡船が運航されていますが、その一つ「福本渡船」が2025年3月末をもって廃業する予定です。

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愛車のVWサンタナが第拾五小浦丸の甲板へと進んでいく(画像:遠藤イヅル)

 尾道水道を行き交う渡船は江戸時代から航行されて、最盛期には9つの航路が存在しました(尾道水道を南北に運航しない渡しを含めると、最大で12航路)。

 しかし、1968(昭和43)年に尾道と向島を陸続きにした「尾道大橋」が開通。大型トラックなどが橋を経由するようになって、渡船の経営に大きな影響を与えました。その後平成に入って「浄土寺渡し(玉里渡船)」「有井渡し(玉里渡船)」「岸本渡し(しまなみフェリー)」「桑田渡し(宮本汽船)」が相次いで廃止。

 2025年2月末現在では、「駅前渡し(おのみち渡し船)」「兼吉渡し(おのみち渡し船)」、「1円ぽっぽ(福本渡船)」の3航路が残るのみとなっています。

 この3航路とも、驚かされるのはその高頻度運航です。時刻表は存在せず、おおむね6時台から20~22時台まで、約10分~12分間隔でひっきりなしに運航されています。しかも運賃も格安で、大人1名で50円~100円、全長5m以内の普通車ならわずか100円~130円ほどで利用可能です。

 その中で、135年もの歴史を持つ福本渡船は、施設の老朽化・燃料費高騰・利用客減少などを理由に、2025年3月末での事業廃止を決定。長きにわたり気軽に利用できる人々の足として活躍しただけに、その廃止を惜しむ声が寄せられています。

 そこで筆者も、愛車の1987(昭和62)年式、“日産製のフォルクスワーゲン”である「サンタナ」を渡船に乗せてみたい!と思いつき、3月の初旬、東京を出発して尾道へ陸路で向かうことにしました。

【めちゃくちゃレトロ!】「尾道の渡し船」の全て乗ってきた!(写真55枚)

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