ソ連のT-34&KV強すぎ!! 対する「戦車大国」ドイツが造った間に合わせ兵器とは 実は“陰の立役者”かも

「タイガー」「キングタイガー」「パンサー」など名だたる戦車をいくつも開発したドイツは、戦車大国のイメージが強いかもしれませんが、第2次大戦では強力なソ連戦車に悩まされたことも。それを救ったのは急ごしらえの対戦車車両でした。

第2次大戦の最後まで現役だった「マルダー」シリーズ

 この38(t)の車体を利用した対戦車自走砲としては、ドイツ製の7.5cmPaK40を搭載したSd.Kfz.138「マルダーIII H」やSd.Kfz.138「マルダーIII M」もありました。ただ、両者は戦闘室の外観が異なるので識別は容易です。

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走攻防の三要素すべてにおいてドイツ軍のIII号戦車やIV号戦車(短砲身型)よりも優れていたソ連のT-34戦車(柘植優介撮影)。

 このように、「マルダーIII」シリーズはソ連のT-34やKVといった強力な戦車に対抗するための応急かつ合理的な再利用車両といった意味合いが強いものでした。ただ、ドイツは「マルダーIII」シリーズの前にも、フランス軍から鹵獲したロレーヌ37L装甲牽引輸送車に開放式の戦闘室を設けて、7.5cm対戦車砲PaK40を搭載した「マルダーI」を170両製造しています。

 また38(t)戦車と同じく、威力不足となった自国製のII号戦車にも似たような改造を施し、対戦車自走砲(時に「マルダーII」と呼ばれることもある)として有効活用しています。

「マルダー」シリーズは、鹵獲した砲を鹵獲した車体に載せたり、旧式化した車体にドイツ製対戦車砲を載せて自走砲に転用したりした、一連の軍用装軌車に与えられています。ただ、その誕生はきわめて応急ながらも、T-34やKVといった強力な敵戦車を撃破できる頼りになる対戦車車両として、相応の役割を果たしました。

 なお、ドイツは第2次世界大戦の開戦前から戦争終結まで常に戦車不足に悩まされ続けていました。そう考えると、「マルダー」シリーズのような戦闘車両こそ「世界に冠たるドイツ装甲部隊」の実態を端的に示す「代名詞的存在」といえなくもないでしょう。

【確かに面影が】これが「マルダーIII」の原型になった戦車です(画像)

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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