「ガンダム」で“大気圏突入能力持ち”のモビルスーツ、なぜ超少数派? 無駄なのか有効なのか

『機動戦士ガンダム』シリーズには人型機動兵器「モビルスーツ」が数多く登場しますが、そのうち、宇宙空間から地上に降下する大気圏突入能力を有するのは一部だけです。なぜなのでしょうか。

なぜ単独大気圏突入できるMSは少ないの?

『機動戦士ガンダム』シリーズには人型機動兵器「モビルスーツ(以下:MS)」が数多く登場しますが、そのうち、宇宙空間から地上に降下する大気圏突入能力を有するのはガンダムやZガンダムなど、シリーズを通してもごく一部の機体だけです。なぜなのでしょうか。

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大気圏突入後着陸態勢に入るスペースシャトル。機体下部の耐熱プレートは突入時の熱で白くなっている(画像:NASA)。

 現実の世界で大気圏突入をする物体とて代表格なのが、有人ではロケットやスペースシャトルなどの宇宙船、無人では弾道ミサイルとなります。前者は人間の帰還、後者は敵地の攻撃と、用途は大きく異なりますが、これらの飛翔体は一度地球の大気圏を突破して宇宙に出るという点は同じです。

 一方で現実世界では、ロケットの先端部分に当たる司令船や弾頭など、機体の一部のみが再突入するだけです。しかし、創作物でテクノロジーが進んでいるガンダムの世界では、スペースシャトルよりも何倍も巨大な、MS搭載可能艦艇を直接、大気圏突入させることが可能なうえ、前述のように一部MSも大気圏突入能力を有しています。

 ただ、MSに関してはこの能力は無駄にも思えます。

 それは、MSがいかに強力であっても、イチ兵器であることに変わりはないからです。単機で大気圏に突入できたとして、補給や架空の物質であるミノフスキー粒子による電波妨害を考えるなら、この「敵中で孤立する」だけとも考えられます。

 ではなぜ、ガンダムとZガンダムには、ほかのMSとは異なる能力が持たされていたのでしょうか。まずはガンダムから考察していきます。

【画像】用途的には大気圏突入MSに近い? これが、軍用グライダーです

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