ウクライナ空軍に学べ!「軍用機の地上撃破の防ぎ方」自衛隊も即採用できる賢い方法って?

2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻で、当初短時間で壊滅すると思われたウクライナ空軍が3年経っても健在なのには、軍用機の分散運用が大きく関係しているとか。一体どういうことなのでしょうか。

航空戦力は意外なほど脆い

 航空戦力は、戦争において不可欠かつ決定的な要素です。卓越した機動力、強大な火力、戦略的な輸送能力は、陸海の諸兵種を凌駕し、戦局を劇的に左右する力だといえるでしょう。

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F-2戦闘機の列線。こうした運用は平時において都合が良いが、有事では1発~2発のミサイルで全滅してしまうため好ましくない(画像:航空自衛隊)。

 とはいえ、その戦力は、同時に極めて脆弱な面も持ち合わせています。事実、飛行場が敵の先制攻撃を受け、滑走路が破壊されるとともに地上に駐機中の航空機が次々と撃破されることによって、航空戦力が開戦から数時間で瓦解した事例は枚挙に暇がありません。

 日本においても、この問題は決して対岸の火事などではなく、むしろ喫緊に対応策を考えるべき本質的な課題となっています。

 仮に日本が有事に巻き込まれた場合、その相手がいかなる国家であれ、開戦と同時に最優先で狙われる目標のひとつに航空基地が含まれているのは間違いないでしょう。特に航空自衛隊が保有する戦闘機部隊は、ミサイルによる飽和攻撃を受ければ、離陸の機会すら得られぬまま地上で殲滅されかねません。その脆弱性は、日本の防衛における最大級の懸念事項として、かねてより広く認識されてきました。

 この問題に対する古典的かつ有効な対処法のひとつが掩体(えんたい)の整備です。コンクリート製のシェルターや堅牢な土塁に囲まれた格納庫は、航空機をミサイルの直撃から保護する物理的な防御の要となります。実際、航空自衛隊も掩体を保有し、一部の機体は常時この中に収容されています。

 しかし、決定的な制約はその「規模」にあります。約300機にのぼる航空自衛隊の全戦闘機を掩体内に格納することは、飛行場の敷地面積や構造的制約から、現実的に困難です。実際、まとまった数の掩体が整備されている航空自衛隊の基地は、千歳(北海道)、三沢(青森県)、小松(石川県)ぐらいしかありません。

 こうした状況下において、昨今注目を集めているのが、2022年2月以降のウクライナ空軍の卓越した戦いぶりです。

【これなら完璧!】破壊するのは至難 これが北欧にある洞窟格納庫です(写真)

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