「ティーガーだ!」←見間違いでした “最恐戦車”そんなに多くないから 実は現代戦でも起こる危険性が

戦場においてある兵器を恐れるあまり、人間の心理が生む誤認。現代戦ではドローンという新兵器が、かつてのティーガーIとは違った心理状態に追い詰めているようです。

何のためにシュルツェンを付けたのか

 とはいえ、もちろんシュルツェンは、IV号戦車がティーガーIに擬態するための物ではありません。主な目的は、対戦車ライフルやバズーカ砲の成形炸薬弾に対する防御を強化することでした。特にソ連軍のPTRD-41やPTRS-41対戦車ライフルは、1942(昭和17)年ごろまでならIV号戦車の側面装甲を貫通可能だったため、これに対抗するための応急対策として採用されたものです。強そうに見せるというより、むしろ必死の防御策だったといえるでしょう。

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DKWのNZ350バイクを括り付け歴戦らしい出で立ちの東部戦線のIV号戦車H型。車体側面シュルツェンはもう再生不能だろう(月刊PANZER編集部蔵)

 戦場では、戦車乗員が防御力を少しでも向上させようとするのは本能的な行動です。装備品の勝手な改造はご法度でしたが、それでも予備履帯や装具、砂袋などを車体外周に括り付けたりして、少しでも防御力を上げようと躍起になっていました。

 シュルツェンを取り付けることで、徹甲弾や成形炸薬弾の威力が減衰するのではないかと期待されていました。ただ、運用上の欠点も多くありました。大きな装甲板は扱い辛く、重量増加や機動性の低下に加え、引っ掛かりやすく破損しやすいという問題もありました。車体側面のシュルツェンは戦闘や移動中に脱落しやすく、だからか欠損した状態の戦車が多く見られました。

 全てのシュルツェンがキッチリついている姿は、実戦経験のない新車のように見え、逆にシュルツェンが欠損しグニャグニャになったステーだけが残っている戦車は、歴戦の個体っぽく見えます。破損したら取り換える前提だったのでしょうが、補給修理が思い通りにいかないのが戦場の常です。

 なお、IV号戦車以降に登場したV号戦車(パンター)やVI号戦車(ティーガー)は装甲が厚くなり、シュルツェンは取り付けられなくなります。

なんと! これがティーガーと見間違えた戦車です(比較画像)

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