青森‐函館だけじゃない 本州最北端へ向かう津軽海峡フェリーに乗ってみた レア便だけど由緒あり!
津軽海峡フェリーは、青森~函館航路で知られる船会社ですが、実は1日2往復のみ函館~大間航路も運航しています。100年近い歴史を持つ大間航路に、土曜日、函館発で乗船しました。
「ファーストシート」は昔の新幹線グリーン車のよう
一般の椅子席は2クラスあり、ひとつは特急普通車のような「カジュアルシート」と、もうひとつは昔の新幹線グリーン車のような「ファーストシート」です。筆者は「ファーストシート」を予約。100系新幹線や300系新幹線を思わせる重厚な座り心地の座席で、ひじ掛け内部にはインアームテーブル、ほかにも引き出し式のレッグレストや毛布も備わっていました。

船体中央部には売店と、レセプションと呼ばれるロビーがあり、その周辺には自動販売機が置かれていました。
自動ドアで区切られた船体後部は、「スタンダード」と呼ばれるカーペット席です。旅客が思い思いにゴロゴロしつつ、テレビを見たりしていました。ちなみに階段を上がった場所にも「スタンダード」が設置されています。
先述の通り航行時間は1時間半ほどですが、船内はなかなか充実しています。階段を上れば展望デッキへも出られますが、座席が快適だからか、休息を取っている人が大半でした。「ファーストシート」には8人、そのほかのシートを合わせると乗船客は50人ほど。「大函丸」の定員は478名ですから、乗船率は約10%です。
小さい船体ながら速度は18ノットを出しますが、揺れは小さくエンジン音も静かです。大間港フェリーターミナルには定刻の11時に着きました。
大間ではマグロや海鮮料理のほか、本州最北端であることもPRされていました。路線バスに乗り継げばJR大湊線の下北駅を目指すこともできます。今や最盛期の7分の1以下となってしまった「大函丸」の運航便数ですが、津軽海峡を渡るルートのひとつとして、100年の歴史も見えてきました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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