理不尽orしょうがない?「自衛隊パイロットになりたい願望」打ち砕く“制限”とは 米軍は撤廃、日本でも動きが

アニメやマンガなどでは子どもが大型ロボットなどの操縦席に乗り込むシーンが描かれたりします。翻って現実世界で、子供が戦闘機の操縦席に座った場合、各種レバーやペダルなどに手足が届くのでしょうか。

戦闘機の操縦席って誰向け?

 ロボットアニメなどサイエンスフィクション作品では、しばしば「子どもが兵器を操縦する」というシーンが描かれます。小学生が複雑な操縦をこなし、戦場で華々しく活躍をする姿は、観客に強い印象を与えます。こうした描写が描く未来の技術は、想像力をかきたてられますが、たとえば子どもが現実世界で戦闘機を操縦する場合、どのような制約を受けるのでしょうか。とりわけ身長の小ささで問題は出ないのでしょうか。

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航空自衛隊の各種戦闘機。下手前からF-4EJ、F-2、F-15。F-4EJはすでに全機退役済みだ(画像:航空自衛隊)。

 現実の戦闘機は、基本的に成人男性が乗り込むことを前提に設計されています。なぜなら、長らく戦闘機パイロットはほぼ男性しかいなかったから。そのため、人体の構造や機械とのインターフェースにおいて、主な操縦者たる成人男性に最適なバランスを提供できるよう、サイズや空間を設定されています。

 具体的には、飛行機のコクピットに座るための空間や操作のための手や足の位置などです。そのため、大きく身長や体格が平均から逸脱している場合、操縦に必要な視認性や操作のしやすさ、さらに安全性といった面で問題が生じる可能性があります。

 身長が低いとシートに座った際の視野が確保できなかったり、機器の操作が不便になったりすることがあります。また、コクピット内の緊急時の脱出装置や安全装置の設計も、成人男性を基準にしたものが多いことから、身長が低いパイロットにとっては脱出が困難になる可能性もゼロではないかもしれません。

 実際、世界を見渡してみると、空軍パイロットに対して身長制限を設けている国もあります。たとえば、日本の航空自衛隊では、パイロット候補生の募集に対して158cmという身長制限を設けています。これは、成人男性の大多数は問題なくクリアできる数字ですが、女性となると平均身長とほぼ同じなため、実にその半分が不適格となってしまいます。女性に対しては厳しすぎる制限だと言えるでしょう。

【日本人に合わせて変えてマス!】これがF-2戦闘機のコクピットです(写真)

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