万博に行くので「地下鉄の“顔パス”乗車」をやってみたら“驚愕のラクさ”でした。もう戻りたくありません
大阪メトロで、「ウォークスルー型顔認証改札機」のサービスが開始されました。大阪・関西万博の取材の折に使用してみたところ、いままでに感じたことのない快適さを体験できました。
果たして認証の精度は?
さっそく使用してみました。顔認証改札機にさしかかり、歩みを止めることなく進入します。すると右側に取り付けられた小型モニターの表示が「ありがとうございました」というメッセージとともに緑色のチェックマークに変化。このまま立ち止まらず通り抜けることができ、無事に駅構内に入場できました。駅から出場するときも同様です。
筆者は都合10回ほど入出場を行いましたが、その間にエラーなどで止められたのは1度だけ。ただし、これは上述した顔認証改札の利用の設定をしていなかったため。むしろこのエラーがあったからこそ、この設定に気づきました。これ以外ではまったくエラーは発生しませんでした。認識の精度はとても高いといえるでしょう。
現在、日常の利用ではICカードが普及しています。自動改札機にかざせば、1秒たらずで読み取り改札を行ってくれますが、その前にはカードを取り出すというアクションが必要。顔認証改札機ではそのアクションすら不要になります。改札前で「ICカードを出さなきゃ」と考えることもなく通れてしまうのは、思っている以上に快適です。
取材を終えて帰京するにあたり、みどりの窓口で紙のきっぷを購入しましたが、改札を通るたびに財布からきっぷを出し入れするのがとても面倒に感じるほどでした。これはICカードでも同様。顔認証改札機を一度味わってしまうと、改札機の前でカードをカバンやポケットから出すという行為が、じつは大変なストレスだということに気づいてしまうわけです。
なお、顔認証システムは現状、ICカードや定期券には対応していないため、駅で観察していても、顔認証改札機の利用者はまったく見かけませんでした。使用できる乗車券が限定されていることに加え、顔写真を登録するという行為に不安を持たれているのも、利用の障害になっていると考えれます。
これはやや残念なところで、早く様々な乗車券への対応や、顔写真データの取り扱いに関する周知が進むことを願うばかり。まずは万博に訪れた観光客が「交通パビリオンの一種」として、その便利さを体験するのも良いでしょう。
Writer: 水野二千翔(高円寺工房/モビリティライター)
レイルウェイライター種村直樹氏に憧れ鉄道・バスライターを志す。これまで「バスマガジン」や「Rail Magazine」で執筆。現在はモビリティ全般に興味を広げ、ドローンや空飛ぶクルマの記事も。国家資格「一等無人航空機操縦士」所持。近著に「ドローン3.0時代のビジネスハック」ほか。
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