ETC大規模障害の混乱を拡げた“ある判断”あきらかに 対応策は「表示器に目隠し」って?

中央道、東名、新東名などの高速道路の広い範囲で発生したETCシステム障害。応急復旧まで38時間を要した中で、約96万人の利用者に影響を与えたとされる理由の一端がわかってきました。

それでも料金決済を優先した

 ETC通信を遮断すると料金所でのエラー表示はなくなるので、システム障害を原因とする衝突事故は回避できますが、ETC専用レーンはまったく使えなくなります。それと同時に、料金請求に必要な通行履歴がまったく取得できなくなるので、利用車は一般レーン(有人レーン)に殺到することになります。

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4月9日に会見したNEXCO中日本の縄田 正社長(中島みなみ撮影)

 いまやほとんどの料金所で、一般レーンは1レーンほどしかありません。日曜日の日中に利用車が増える中で渋滞が伸び続ける上に、大規模システム障害でも、収受員がETCカードの番号を控えるなどの通常対応をし続けたために、さらに混乱を助長しました。障害発生から約13時間後、ETCレーンの開閉バーを開放して、単なる“門”とすることで渋滞を解消しました。

 ただ、通行履歴が取得できなくなったことで、新たに後日決済というイレギュラーな対応を利用者に求めることになりました。

 もしETC通信を遮断しなければ、すべてのETC車の通行履歴を残すことができます。その中には正常に決済できる車両もあります。未決済の車両があっても後日、通行履歴に基づき、高速道路会社が通行料金をクレジットカードから引き落とす(決済する)ことが可能です。影響を最小限にする余地はあったのです。

 今回のようなケースでは、車載器を搭載しない車両がETCレーンを通過した時と同じように、通過車両を管理する別のシステムを使って、利用車の履歴をたどっていくしかありません。

【え…!】これがETC障害の「原因」と「対策」です(画像)

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コメント

2件のコメント

  1. 乗り物ニュースは広告引用と画像めくりがいたずらに多過ぎて、記事本文が読みづらいので、明日からは、安易にクリックするのを控えようと思います

  2. 考えれば起こることが予想できるトラブルに対応策が検討されていなかったというのがいかにも日本らしい。