なんか民間船みたいな雰囲気も… 輸送艦「にほんばれ」自衛艦ぽくない理由とは? 乗員たちの本音を聞いてみた
本格始動した自衛隊海上輸送群。その新部隊の目玉装備である輸送艦「にほんばれ」の艦内を取材してきました。外観の見た目は自衛艦ぽいですが、中に入ると民間船の趣きです。その理由を自衛官らが教えてくれました。
中型級船舶「ようこう」いつ引き渡し?
「にほんばれ」の艦名は、任務の完遂と航海の安全への願いを込め、太陽にちなんだ名称から選定されました。陸上幕僚監部広報室は「一点の曇りもなく、晴れ渡った空を表し、日本国を想起させるもの」と説明します。

中谷防衛大臣は「南西地域に機動的に展開できる船の確保は、自衛隊の長年の課題だった。今回新編された自衛隊海上輸送群には輸送艦『にほんばれ』をはじめ、各種船舶が配備されるが、これにより迅速かつ確実な機動展開が可能になる」と、その意義を強調しました。
自衛隊海上輸送群にはLCUの「にほんばれ」に加え、5月ごろに中型級船舶(LSV)「ようこう」(基準排水量約3500トン)も配備される予定です。2026年3月末には、ようこう型LSV1隻と、にほんばれ型LCU3隻の計4隻にまで部隊規模が拡充され、LSV部隊が呉地区に、LCU部隊が海自阪神基地に配置されるようになります。
加えて、小型級船舶では接岸できない小島嶼への輸送を担う輸送艇(機動舟艇)4隻の取得が2027年度末までに計画されているため、今後は部隊規模が輸送艦6隻(LSV2隻、LCU4隻)、輸送艇4隻の計10隻まで拡充する計画です。
群司令の馬場1佐は「陸上自衛隊には、船舶の運航に関する知識や経験がなく、いかにノウハウを蓄積して基盤を確保していくことが課題だと認識している。こうした点において、引き続き人材の育成、教育含めて、海上自衛隊の連携が不可欠であるという風に考えている」と語っていました。
今後数年で急速に規模が拡大する、自衛隊海上輸送群と陸自の船乗り。近い将来、緑の迷彩服を着た船乗りは当たり前の存在となっているかもしれません。
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