「撮り鉄」の数がスゴイ…! 走れば大盛況「ジョイフルトレイン最後の大物」に乗った 今こそ“頑張りどき”か
走るときには沿線に「撮り鉄」がズラリ――そんな大勢の鉄道ファンの注目を集める豪華客車があります。最近の運行時には、走行風景を撮れない乗客も車内で「映え」を楽しめるイキな空間が用意されていました。
座席くるくるし放題!? “神対応”の撮影スペースも
復路では最後尾から2両目の2号車「オロ14 706」を1両まるごと撮影スペースとし、文字通り「開放」座席として活用する“神対応”でした。回転座席は45度ごとに固定できるため多彩なアレンジが可能で、四方に3席ずつ、計12席を設けて「車座」のようにしたり、テーブルの周囲を6つの座席が囲む配置にしたりしていました。

室内には50インチのビデオスクリーンと、もともとはカラオケ装置もありました。壁面にはマイクの差し込み口も設けており、団体旅行で「走るカラオケボックス」を楽しんでいた光景が目に浮かびました。
ツアーに添乗した日本旅行の金船 裕さんに撮影スペースの狙いを尋ねたところ「参加者は52人と満席にはならなかったため、せっかくなので2号車は空席にして撮影できるようにした」と打ち明けました。
同じく14系を改造して1983年に登場した欧風豪華客車「サロンエクスプレス東京」は、97年のお座敷客車「ゆとり」への衣替えを経て2008年に運用を終えました。これに対し、「サロンカーなにわ」は改装を経ながらも、登場から約42年間にわたって頑張ってきました。
鉄道愛好家の間では引退を危惧する声も出ている「サロンカーなにわ」ですが、日本旅行が2025年5月16―17日に大阪から熊本へ、5月24―25日に博多から大阪へ運行し、6月には大阪―大分間を往復させるなど、当面は“大車輪の活躍”を見せてくれそうです。
Writer: 大塚圭一郎(共同通信社経済部次長・鉄旅オブザイヤー審査員)
1973年、東京都生まれ。97年に国立東京外国語大学フランス語学科卒、共同通信社に入社。ニューヨーク支局特派員、ワシントン支局次長を歴任し、アメリカに通算10年間住んだ。「乗りもの」ならば国内外のあらゆるものに関心を持つ。VIA鉄道カナダの愛好家団体「VIAクラブ日本支部」会員。
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