ウ軍F-16戦闘機の活動を阻む「厄介者」とは? 再確認されたロシア防空兵器の圧倒的な優越性 “排除ムリ”なワケ

ウクライナ空軍がF-16戦闘機を失ったと発表しました。2機目の損失となる今回の原因はロシア軍の大型地対空ミサイルS-400によって撃墜されたからと言われています。このミサイルが持つ圧倒的な性能とはどの程度なのでしょうか。

高性能なF-16の活動を阻む「目の上のタンコブ」とは

 ウクライナ空軍は2025年4月12日、F-16戦闘機1機の損失を公表するとともに、そのパイロットが戦死したと発表しました。

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ウクライナ空軍のF-16編隊。NATO諸国から供与されたF-16AM近代化改修型である。機数は明らかにされていないが順次配備が進んでいる(画像:ウクライナ空軍)。

 F-16はウクライナ空軍にとって、いわば「虎の子」と言える機体で、西側諸国から供与されたばかりの貴重な戦力のひとつでもあります。なお、今回のF-16損失は、ロシアのS-400地対空ミサイルに撃墜された可能性が高いとのこと。その点を鑑みると、本件は現代戦における地対空ミサイルがいかに脅威であるか、その本質を如実に物語っていると言えるでしょう。

 ロシアが誇るS-400地対空ミサイルシステムの最大射程は公称400km。これはもはや戦術的というより戦略的兵器であり、配置場所によっては隣国の空域にすら手を伸ばせるほどの長射程を誇ります。ことウクライナ戦争においては、同システムがクリミア半島、ベラルーシ国境地帯、あるいはロシア本土西部に配備されていると推定されており、そのカバー範囲は実にウクライナ領の大部分に及んでいます。

 この国外に駐屯する「刺客」が意味するものは、ウクライナ空軍にとって致命的な制約です。すなわち、F-16のような第4世代戦闘機であっても、滑走路から離陸し、一定の高度に達した段階で、すでにS-400の探知・攻撃圏内にあるという事実です。これは従来のように、戦闘機が「前線近くに展開し、素早くミッションをこなして帰還する」という戦法をとることが、極めて困難であるというのを意味します。

 もちろん、F-16は手ぶらで飛んでいるわけではありません。ウクライナにはAGM-88「HARM(高速度対レーダーミサイル)」といった「地対空ミサイル潰し」の武器も配備されています。しかしS-400の400kmという射程は、F-16が運用可能な対レーダーミサイルの「HARM」の有効射程、約150kmをはるかに上回っているため、対抗手段としては不十分という状況になっています。

【画像】ロシアの切り札! 大型ミサイルS-400発射の瞬間

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