日本近海で「核爆弾を空母からドボン!」米軍やっちまった案件 60年経つも行方不明のまま 日米間の外交問題に

米海軍の空母「ハリー・S・トルーマン」が2025年4月28日、搭載するF/A-18E戦闘機を海に落としました。しかし、かつて米海軍は日本近海で核爆弾を海没させる事故も起こしていたのです。しかも当初は日本に報告しませんでした。

空母から海へ戦闘機を落としちゃった

 2025年4月28日、アメリカ海軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン」がイエメン沖を航行中、1機のF/A-18E「スーパーホーネット」戦闘攻撃機を海中に落下させるという異例の事故が発生しました。

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アメリカ海軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン」(画像:アメリカ海軍)。

 事故の原因とされるのは、同艦がフーシ派勢力からの攻撃を回避すべく急激な回避運動を実施した際の艦上作業における混乱です。その時、甲板上で牽引移動中だった「スーパーホーネット」が制御を失い、そのまま艦の舷側から滑り落ち、アデン湾の波間へ没しました。幸い、機体には操縦士などは搭乗していなかったため、人的被害は生じませんでした。

 空母艦上から航空機が落下することは極めて稀ではありますが、アメリカ海軍の長い歴史において、前例が皆無なわけではありません。とりわけ、重大事故として今なお語り継がれるのが、1965年12月5日に発生した「核兵器搭載機喪失事故」です。

 舞台となったのは当時、鹿児島県喜界島の東南東約130kmを航行中であった空母「タイコンデロガ」です。同艦は第二次世界大戦期に建造されたエセックス級航空母艦の1隻で、1960年代には大規模な近代化改装を受け、ベトナム戦争においても航空作戦の中核を担う中枢艦として第一線で運用されていました。

 事故当日、A-4「スカイホーク」攻撃機の1機が、格納庫から飛行甲板へ移送される過程で、艦載エレベーター上での作業ミスにより滑落。操縦士とともに海中へ転落しました。ただ、この機体にはB43型戦術核爆弾が搭載されていたため、その事実が事態の深刻さを決定づけることになります。

 B43は当時の戦術核兵器としては標準的な仕様で、最大で1メガトンという極めて高い核出力を持ちます。機体とともに核弾頭は、水深約5000mに達する海域へと沈みました。とうぜん、アメリカは直ちに捜索活動を展開したものの、核爆弾はついに発見されることなく、現在に至るまで深海に眠ったままとなっています。

【日本のすぐ近くじゃん!】ここが核爆弾が眠ったままの海域です

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