「縁起が悪い!」有名菓子との“攻めたコラボ“を展開したローカル線とは? 験担ぎのハズが思わぬ声
鉄道関連の名称と引っかけたダジャレは星の数ほどありますが、南九州のローカル線ではかつて有名菓子との「攻めているコラボ」が話題を呼びました。
霧島連峰を見渡す車窓、似ているのは…
吉松で乗り込んだ都城行きの吉都線は、国鉄時代に造られたディーゼル車両「キハ40」1両で、扇風機には国鉄の「JNR」マークが残っていました。隣の鶴丸駅までは鹿児島県ですが、残る15駅は全て宮崎県内にあります。

吉都線と、現在は運休している肥薩線の八代―吉松間は「えびの高原線」の愛称が付けられ、景色が美しい高原地帯に目が癒やされます。晴れていれば韓国岳(からくにだけ、標高1700m)や高千穂峰(たかちほのみね、標高1574m)などの霧島連峰を見渡すことができます。筆者は、JR最高地点(標高1375m)を抱えるJR東日本の小海線(山梨・長野県)の車窓と似ていると感じました。
また、吉都線がユニークなのはトンネルが1つもないこと。「えびの高原線」を構成する肥薩線の矢岳(熊本県)~真幸(宮崎県)間には、2年がかりの難工事で完成させたトンネル「矢岳第一トンネル」(約2096m)があるだけに意外な印象を受けます。
JR九州によると、吉都線が通る区間で1日当たり乗車人員が最多の駅は日豊本線と接続する都城(2023年度に964人)ですが、途中駅で最も多いのは小林(同373人)です。これはJR九州の駅で271位となっており、通学利用が多いことが押し上げています。小林は吉都線の途中駅としては唯一の有人駅です。
目を引くのは、都城の4駅手前にある東高崎という駅名です。群馬県にはJR東日本の上越新幹線と在来線、上信電鉄が乗り入れる「交通の要衝」の高崎駅、JR信越本線の北高崎駅、上信電鉄の南高崎駅があるのに対し、東高崎の駅名は遠く離れた南九州にあるのです。
吉松を出発して1時間半弱で都城に到着し、途中で16もの駅に止まったとは思えないほどスムーズな行程でした。これは全てが普通列車のため通過待ちがなく、反対方面の列車との行き違いも小林駅での1本だけだったためです。
JR九州本社の福岡人なら「きっと勝つと」で意味が通じるが他県人には通じなかったという。