次期戦闘機に「烈風」、名づける意味あるのか? 突如よみがえった“80年前の戦闘機”の名
日英伊の3国共同で開発を進める次世代戦闘機に、日本が「烈風」というニックネームを検討していると報じられました。しかし、それが難しいばかりか、もっと考えるべき大事なことがあることを、歴史が示しています。
「この名前でどう?」「絶対に嫌!」国際共通ニックネームの難しさ
ただ、国際共同開発をする兵器のニックネームを共通化するのは、容易なことではないようです。

ユーロファイターの開発が行われていた1980年代から90年代にかけて、開発に参加したイギリス、ドイツ、イタリア、スペインは自国が導入するユーロファイターに、共通の公式ニックネームを付けることを検討していました。
これは真偽のほどは定かではないのですが、現在イギリス空軍がユーロファイターの公式ニックネームとして採用している「タイフーン」は、第二次世界大戦時にドイツ軍やイタリア軍に大きな損害を与えたホーカー「タイフーン」戦闘機を連想してしまうおそれがありました。
そこでイギリスが独伊両国に配慮して、低気圧を意味する「サイクロン(Cyclon)はどう?」と提案。
すると、ナチス時代のドイツがホロコースト(大量虐殺)に使用した毒ガス「ツィクロンb(Cyclon b)と関連付けられるおそれがあるとして「絶対に嫌だ」とドイツが強攻に反対。結局、ユーロファイターに4か国共通のニックネームを付ける構想は沙汰やみになったという、笑うに笑えない話があります。
航空自衛隊も、1955(昭和30)年から1980(昭和55)年まで運用していたF-86F「セイバー」戦闘機に「旭光」、1958(昭和33)年から1968(昭和43)年まで運用していたF-86D「セイバードッグ」戦闘機に「月光」、1963(昭和43)年から1986(昭和61)年まで運用したF-104J/DJ「スターファイター」戦闘機に「栄光」という、日本独自の漢字ニックネームを付けました。
しかしお世辞にも定着したとは言いがたく、その後に導入されたF-1、F-2、F-15J/DJ、F-35A戦闘機には漢字のニックネームは付けられていません。
筆者さんとは違う見方をしてて、烈風は定着すると思う。
これまでの空自の愛称は、日本が造ったわけでもない機体に、既に製造国が付けた愛称が知られている中で、格好良くは無い日本語の愛称で上書きしようとしても無理だったって話だと思う。
今回は日本も主要な開発国であり、自然と愛着も湧く中で、日本風の呼び名は自然と求められるだろうし、それが烈風と言う格好いい名前でありながら、零戦や隼と違ってオリジナルが偉大過ぎて逆に滑る訳でもない。
烈風は未完成だったし実力も…ってのも、現担ぎする人は気になるかもしれないが、それもマニアだけに起こり得る発想。逆に今度は完成させられれば烈風が鮮やかに蘇ったと言う歴史にもなる。
そんなわけで、個人的には空自が旧軍のセンスの良さを否定しないでくれたのは嬉しく思ってます。