次期戦闘機に「烈風」、名づける意味あるのか? 突如よみがえった“80年前の戦闘機”の名
日英伊の3国共同で開発を進める次世代戦闘機に、日本が「烈風」というニックネームを検討していると報じられました。しかし、それが難しいばかりか、もっと考えるべき大事なことがあることを、歴史が示しています。
ゲン担ぎよりも必要なこと
前に述べたホーカー「タイフーン」や、F-35のニックネーム「ライトニングII」のように、実戦で有用性を証明して見せた戦闘機のニックネームを継承することは、縁起をかつぐ上で理解できるところです。
しかし、「烈風」はエンジンの不具合などで開発が遅れた結果、8機(10機説もあり)が生産されただけで、実戦に投入されることなく終わっています。縁起をかつぐという意味においては、GCAPで開発される新戦闘機がニックネームを継承するほどの戦闘機ではないと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思います。
新戦闘機のニックネームを共通化することで、イギリス、イタリアの両国と一体感を醸しだそうとする気持ちはわからないでもないのですが、定着しない可能性が高い漢字ニックネームを考えるより、公開できる情報をできるだけ公開して、おそらく「F-3」と呼ばれるであろう新戦闘機に対して、国民から信頼感や親しみを持ってもらう方法を考えていくべきではないでしょうか。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
筆者さんとは違う見方をしてて、烈風は定着すると思う。
これまでの空自の愛称は、日本が造ったわけでもない機体に、既に製造国が付けた愛称が知られている中で、格好良くは無い日本語の愛称で上書きしようとしても無理だったって話だと思う。
今回は日本も主要な開発国であり、自然と愛着も湧く中で、日本風の呼び名は自然と求められるだろうし、それが烈風と言う格好いい名前でありながら、零戦や隼と違ってオリジナルが偉大過ぎて逆に滑る訳でもない。
烈風は未完成だったし実力も…ってのも、現担ぎする人は気になるかもしれないが、それもマニアだけに起こり得る発想。逆に今度は完成させられれば烈風が鮮やかに蘇ったと言う歴史にもなる。
そんなわけで、個人的には空自が旧軍のセンスの良さを否定しないでくれたのは嬉しく思ってます。