いつも混んでる…京葉道路「花輪IC」なぜ“みんな使いたがる”のか? 人気すぎて“皮肉な渋滞構造”

京葉道路の上り線で必ずと言っていいほど渋滞するのが「花輪IC」です。流出車も流入車も非常に多いのは、大型商業施設の最寄りであるだけでなく、「このICを目指すクルマで周辺まで渋滞する」という皮肉な構造が影響しています。

東関東道を使いたくないのも無理はない?

 一方、花輪IC付近の国道357号から東関東道、首都高を使い東京方面を目指す場合は、東関東道の谷津船橋ICもしくは首都高の千鳥町入口が最寄りとなります。

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国道357号東行きと東関東道。奥の若松交差点に向かって恒常的に混雑する(画像:PIXTA)

 このうち千鳥町入口の利用は、混雑する国道357号を延々走る必要があります。しかも環七通りにつながる葛西出口までの通行料金は400円と京葉道路より割高です。

 谷津船橋ICの利用はより手前から国道357号の渋滞を回避することができますが、同じく葛西出口までの通行料金は820円と、花輪ICから京葉道路を利用する場合に比べ、3倍以上の通行料金となってしまうのです。

 また線形としても、東関東道・首都高ルートは市川市以西で京葉道路から離れて湾岸部へ迂回するため、首都高で東京都心部を、また外環道で埼玉方面を目指す場合は距離が延びます。もっとも、目的地がこれらの沿線となる場合は京葉道路ルートとの料金格差は200円程度まで縮小しますが、それでも京葉道路の“割安感”は揺るぎません。

 では、花輪ICから船橋料金所までの渋滞問題を解決するにはどうすればいいのでしょうか。

 やはり根本的な対策は、国道357号の渋滞を緩和させ、「とにかく京葉道路に逃げたい」というクルマを少なくすることでしょう。

 ただそのためにもっとも効果的だと思われる、国道357号と船橋我孫子線が交わる「若松」交差点の立体化は、西行きが東関東道の低い高架とJR京葉線に挟まれた窮屈なところを走っていることもあり、計画そのものがありません。

 次善の策としては、東関東道に並行する「新湾岸道路」の建設を急ぎ、国道357号の負担を軽減することになりそうですが、これも海側の干潟「三番瀬」の環境保護問題もからみ、早期の整備は望み薄です。

 国土交通省千葉国道事務所では、「千葉県移動性向上プロジェクト」と題した検討会で、若松交差点の信号機の時間を調整するなどのソフト的な対策を打ち出し、県警と協力して一定の効果を上げています。

 今後とりうる手段としては、AIを活用したシミュレーションなどで、同交差点、そして京葉道路を挟み船橋我孫子線にふたつある信号の同期をどうとるかなどを検証するといった、地道な努力を続けていくしかないのかもしれません。

【こりゃ無理もない!】みんな大好きすぎて渋滞「花輪IC」の位置(地図/写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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