東京23区最大級の「廃道」!? 地図から消された4車線道路 立体交差が“埋められていく” その後はどうなる?
羽田空港内の「環八通り」に新たな道路が接続します。この周辺では、道路の付け替えの過程で「使われなくなった」道路が、まもなく姿を消そうとしています。
60年前の道路だった!
実はこれ、かつての羽田空港旅客ターミナルへのアプローチ道路です。旧ターミナルは現在の第三ターミナル付近にあり、現在の天空橋駅付近とのあいだを滑走路が横切っていました。

1960年代には、首都高1号羽田線の空港西出口、かつての「空港」出入口から旅客ターミナルまで立体交差を含めた車道と、並行して東京モノレールによるアクセスが整備されました。廃道となったのは、この車道の一部です。
その後、羽田空港では騒音の問題などから沖合を埋め立てて拡張し、滑走路やターミナルなどを移転していく「沖合展開」が進められてきました。その過程で使われなくなった「羽田空港跡地」の再開発事業として、天空橋駅付近では2020年に「羽田イノベーションシティ」が開業。いまも再開発は続いています。
こうした再開発に伴う道路整備の一環として、旧アプローチ道路の一部廃止と、新たな都市計画に基づく道路整備も進行しているのです。首都高の空港西出入口は現在も旧アプローチ道路に接続しており、環八通り方面に南下していきますが、途中で新道に切り替わり、旧道のアンダーパス方向は閉鎖されています。
沖合へのターミナル移転とともに、車道による空港アクセスも、空港内を縦貫する首都高湾岸線と環八通りがメインとなり、いまや1号羽田線や空港西出入口は空港アクセスの補完的な存在となっています。
大田区空港まちづくり課によると、環八アンダーパスの廃道付近は土地区画整理事業を展開し、その後は国に引き渡すそうです。ただ、「国からは利活用の方針がまだ定まっていないと聞いている」とのこと。
今後どう変化するか見通せないところもありますが、約60年前の首都高1号線でアプローチした時代の羽田空港の痕跡は、急速に失われつつあります。
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