「ジープの生みの親」≠クライスラーだから! “世界的名車の開発元”を襲った悲劇とは?

第2次世界大戦で活躍し、戦後は民間向けに販売されて人気となった「ジープ」。その誕生には、アメリカ軍と複数のメーカーによる紆余曲折がありました。歴史に残る傑作車を発明しながら悲劇に見舞われた元祖「ジープ」の開発メーカーを紹介します。

ドイツ軍の「キューベルワーゲン」以上の車両を要求

 「ジープ」誕生のきっかけは1939年9月のドイツ軍によるポーランド侵攻でした。ヨーロッパで戦争が勃発し、中立の立場を表明していたアメリカも遠からず大戦への参戦が不可避になると考えるようになったのです。そこで、米陸軍はドイツ軍の「キューベルワーゲン」を性能面で上回る小型軍用車両の開発を国内の自動車メーカーに打診しました。その時の要件は下記の通りです。

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現在、ジープブランドで販売する「ラングラー・アンリミテッド」(画像:Stellantisジャパン)。

1、高低2段切り替え式の副変速機を持つトランスミッションを備えること。

2、四輪駆動車であること。

3、積載量は4分の1トンで、CAL30(30口径機関銃)が搭載可能であること。

4、ブラックアウトライティング(灯火管制)システムを標準で装備すること。

5、スクウェアなボディスタイルで、折り畳み式のウインドシールドを備えること。

6、車両重量を1275ポンド(585kg)以内に抑えること。

7、ホイールベースは75インチ(1905mm)、車高は36インチ(914mm)以内に収めること。

8、エンジン出力は40hp以上あること。

9、舗装路の最高速度は50マイル(80.5km/h)以上、最低巡航速度3マイル(4.8km/h)以下であること。

10、試作車70台を75日以内に製作し納入すること。

 この厳しい条件に応募したのはアメリカン・バンタム、フォード、ウィリスの3社だけで、そのうち期限内に試作車を提出することができたのはバンタムだけでした。同社が納入した試作車は1カ月にもおよぶ厳しいテストで優秀な成績を収めたことから、米陸軍は量産を前提に改良を加えた増加試作車を追加発注しました。

【なんか違う…】これが名車「ジープ」の最初の姿です(写真)

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