南北線の混雑緩和なるか?「8両化」がスローペースな理由とは “同じ車両”がずっと製造され続ける!?
8両編成と6両編成が混在する東京メトロ南北線。今後、8両化はどこまで進むのでしょうか?
「最新の編成」なぜ8両化の対象外?
今回8両化の対象となる編成は、運行開始から25~30年程度が経過しており、リニューアルが必要な時期を迎えています。その編成をリニューアルする際に順次8両化が実施される予定です。

既存の6両は中間車を増結する際、VVVFをフルSIC(シリコンカーバイド)に、主電動機を全密閉型高効率誘導電動機に変更することで消費電力を低減。車内も床材や化粧板を交換し、液晶ビジョン、防犯カメラやフリースペースを設けるほか、座席の端にある「袖仕切り」にポリカーボネート板を取り付けるといった改造が実施されます。8両化といっても、単に中間車を増結するだけではなく、大掛かりな改造を伴うため、時間を要するわけです。
ちなみに、新造される中間車は形式こそ同じ9000系ですが、千代田線の16000系後期車がベースとなっており、既存の6両とは約30年もの車齢差があります。外観上の差異は少ないですが、車内は全く異なります。
なお、2016年~19年にかけて、6両のまま大規模修繕を実施した初期の編成(01~08編成)と、2009年に増備された最も新しい編成(22・23編成)は、現時点では8両化の対象からは外されています。
東京メトロは、最も新しい編成(22・23編成)を8両化の対象から外した理由について「現時点においては使用期間を考慮し、大規模工事などの予定をしていないため」とした上で、この2編成についても「今後8両化の検討を行っていく」としています。
1990年に登場し、35年にわたって増備が続く南北線の9000系は、まだ製造される見込みです。南北線は2030年代半ばに品川駅までの延伸が予定されていますが、どこまで8両化が進むのか注目されます。
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