【乗りもの豆知識】戦前にも存在した「ひかり」と「のぞみ」のペア
東海道新幹線といえば「ひかり」と「のぞみ」。この有名な列車の“ペア”が、現在の中国東北部にあった旧南満洲鉄道(満鉄)と朝鮮半島の旧朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)でも走っていたことをご存じでしょうか。
半世紀ぶりに復活したペア
「ひかり」と「のぞみ」。東海道・山陽新幹線における、あまりにも有名な列車の組み合わせですが、現在の中国東北部にあった旧南満洲鉄道(満鉄)と朝鮮半島の旧朝鮮総督府鉄道(鮮鉄)をかつて、同名の“ペア”が走っていたことをご存じでしょうか。
現在の「ひかり」は1964(昭和39)年の東海道新幹線開業当初から存在。その名前は公募の結果、最も多かったものです。これに続いて「光速に対する音速という視点」などから「こだま」があわせて選ばれました。
同じく「のぞみ」は1992(平成4)年にデビュー。その名前には「21世紀をにらんだ未来指向性のもの」「夢を与えるもの」「日本を代表する列車にふさわしいもの」というテーマのもと、有力候補であった「希望」を「ひかり」「こだま」にあわせて“大和言葉”にした「のぞみ」が採用されたといいます。
一方、古い「ひかり」「のぞみ」は1940(昭和15)年の時刻表に登場。山口の下関と船で結ばれていた釜山桟橋駅を出発し、京城(現在のソウル)から平壌へと朝鮮半島を北上、その後、旧満洲国に入って奉天(瀋陽)を経由し、新京(長春)に至るルートをそれぞれ1日1往復していました(「ひかり」は哈爾浜まで運転されていた時期もある)。
しかし、第二次世界大戦の戦況悪化に伴い、「ひかり」と「のぞみ」は運転を中止。敗戦によって、再び日の目を見ることはありませんでした。その後、現在の「のぞみ」が登場した1992(平成4)年、この“ペア”はおよそ半世紀ぶりの“復活”を果たすことになるのです。
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