30年の歴史にピリオド「在日米軍版ブルーインパルス」消滅の理由はアメリカが国防戦略を見直すから

青森県の三沢基地を拠点に30年にわたって活動してきたF-16デモンストレーションチームが終焉を迎えました。「空の親善大使」としての役割を長年務め、日本の飛行機ファンにも親しまれていたのに、なぜ消えてしまうのでしょうか。

戦闘機を使っての広報活動

 このたび青森県の三沢基地で、アメリカ空軍のPACAF(太平洋空軍)F-16デモンストレーションチームが最後のデモ飛行を行いました。同チームは、三沢基地に駐留するアメリカ空軍第35戦闘航空団の隷下に編成された広報専門の部隊であり、その任務はF-16「ファイティングファルコン」戦闘機を用いたアクロバット飛行を観客に披露することでした。

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離陸準備を行うF-16デモチーム。整備員は黒い専用のユニフォームを着用し、作業手順も見られることを意識したスタイルとなっている(画像:アメリカ空軍)。

 F-16デモチームの役割は、同機の機動性やアメリカ空軍の技術力をアピールするだけでなく、イベントを通じて一般市民と交流を図り、「空の親善大使」としての役割を果たすこと。そのため、航空自衛隊基地で開催される航空祭にも定期的に参加し、迫力あるフライトや地上でのファンサービスなどで、飛行機ファンには広く知られる存在でもありました。

 その活動は日本国内にとどまらず、海外の防衛展示会や航空ショーにも参加。これまでにフィリピン、メキシコ、イギリス、エジプト、インド、オーストラリア、シンガポールなど、20か国以上で活動してきました。30年間で約400回のデモ飛行を行い、延べ2470万人以上がその演技を目にしたといわれています。

 広報活動で数々の実績を残したF-16デモチームですが、その活動はなぜ終わりを迎えたのでしょうか。最大の理由は、母体である第35戦闘航空団の主力機がF-16からF-35A「ライトニングII」へ更新されるためです。

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